「テスト自動化を試してみたい」
「RPAというモノに興味がある」
「Pythonで処理の自動化フレームワークを探している」
このような場合には、Robot Frameworkがオススメです。
この記事では、Robot Frameworkについて解説しています。
本記事の内容
- Robot Frameworkとは?
- Robot Frameworkのシステム要件
- Robot Frameworkのインストール
- Robot Frameworkの動作確認
それでは、上記に沿って解説していきます。
Robot Frameworkとは?
Robot Frameworkは、オープンソースの汎用自動化フレームワークです。
テスト自動化やRPAにRobot Frameworkを利用することができます。
Robot Frameworkは、人間が読みやすいキーワードを使った簡単な構文で動きます。
慣れれば、プログラマーでなくても対応できるかもしれません。
また、PythonやJavaによって機能を拡張することができます。
カスタマイズも自由ということです。
なお、Robot Frameworkはそのバックが強力です。
Robot Frameworkは、非営利団体のRobot Framework Foundationによって開発されています。
このRobot Framework Foundationのスポンサーが、公開されています。
![](https://self-development.info/wp-content/uploads/2022/04/screen-2022-04-09-09-55-44-1.jpg)
知っているような企業がチラホラと見えます。
これだけのスポンサーがいれば、Robot Frameworkへの信用度が増しますね。
そして、Robot Frameworkは習得するのに値する技術と言えます。
テストの生産性向上が求められた場合、Robot Frameworkが採用される可能性は高いです。
以上、Robot Frameworkについて説明しました。
次は、Robot Frameworkのシステム要件を説明します。
Robot Frameworkのシステム要件
現時点(2022年4月)でのRobot Frameworkの最新バージョンは、5.0となります。
この最新バージョンは、2022年3月24日にリリースされています。
サポートOSに関しては、以下を含むクロスプラットフォーム対応です。
- Windows
- macOS
- Linux
サポート対象となるPythonのバージョンは、以下となっています。
- Python 3.6
- Python 3.7
- Python 3.8
- Python 3.9
- Python 3.10
Python 3.6以降なら、OKということですね。
ただ、次のPython公式開発サイクルには準じていません。
バージョン | リリース日 | サポート期限 |
3.6 | 2016年12月23日 | 2021年12月23日 |
3.7 | 2018年6月27日 | 2023年6月27日 |
3.8 | 2019年10月14日 | 2024年10月 |
3.9 | 2020年10月5日 | 2025年10月 |
3.10 | 2021年10月4日 | 2026年10月 |
これを見てわかるように、Python 3.6はすでにサポート対象外です。
そのため、Python 3.7以降の利用をオススメします。
まとめると、Robot Frameworkのシステム要件はPython 3.7以降となります。
とりあえず、これに注意すれば問題はないでしょう。
以上、Robot Frameworkのシステム要件を説明しました。
次は、Robot Frameworkのインストールを説明します。
Robot Frameworkのインストール
検証は、次のバージョンのPythonで行います。
$ python -V Python 3.10.2
まずは、現状のインストール済みパッケージを確認しておきます。
$ pip list Package Version ---------- ------- pip 22.0.4 setuptools 62.0.0 wheel 0.36.2
次にするべきことは、pipとsetuptoolsの更新です。
pipコマンドを使う場合、常に以下のコマンドを実行しておきましょう。
python -m pip install --upgrade pip setuptools
では、Robot Frameworkのインストールです。
Robot Frameworkのインストールは、以下のコマンドとなります。
pip install robotframework
Robot Frameworkのインストールは、すぐに終わります。
終了したら、どんなパッケージがインストールされたのかを確認します。
$ pip list Package Version -------------- ------- pip 22.0.4 robotframework 5.0 setuptools 62.0.0 wheel 0.36.2
Robot Frameworkには、依存パッケージがありません。
その点では、既存環境へRobot Frameworkの導入は容易と言えます。
以上、Robot Frameworkのインストールを説明しました。
次は、Robot Frameworkの動作確認を行います。
Robot Frameworkの動作確認
コマンドラインツールが、利用できるようになっています。
まずは、バージョンから確認してみます。
$ robot --version Robot Framework 5.0 (Python 3.10.2 on linux)
インストールしたバージョンのRobot Frameworkを確認できます。
このrobotコマンドを用いて、Robot Frameworkの動作確認を行います。
そのためには、テストケースを用意する必要があります。
このテストケースにテスト仕様を記述していきます。
今回は、「Hello World」を表示するテストケースを用意しました。
まずは、簡単な一歩から始めましょう。
hello.robot
*** Test Cases *** Hello Worldを表示する Log Hello world
内容は、上記のようにシンプルです。
記述方法は、簡単なテーブル形式になります。
テーブル形式は、単純にタブスペースで区切っているだけです。
Hello Worldを表示する
この部分は、別に日本語でも構いません。
テストの内容を記述します。
Log Hello world
「Log 」は、Robot Frameworkで用意された命令(キーワード)です。
次のページで利用可能なキーワードを確認できます。
https://robotframework.org/robotframework/latest/libraries/BuiltIn.html#library-documentation-top
では、準備ができたら実行してみましょう。
実行するには、次のコマンドを利用します。
robot hello.robot
上記コマンドを実行した結果、コンソールに次のように表示されます。
$ robot hello.robot ============================================================================== Hello ============================================================================== Hello Worldを表示する | PASS | ------------------------------------------------------------------------------ Hello | PASS | 1 test, 1 passed, 0 failed ============================================================================== Output: [実行場所]/output.xml Log: [実行場所]/log.html Report: [実行場所]/report.html
「PASS」と記載されているので、上手く行った雰囲気は掴めます。
詳細は、次のファイルを確認します。
Output: [実行場所]/output.xml Log: [実行場所]/log.html Report: [実行場所]/report.html
htmlファイルとしてレポートが出力されているのです。
report.htmlをブラウザで確認した結果は、以下。
![](https://self-development.info/wp-content/uploads/2022/04/image-7.png)
log.htmlでは、詳細を確認することができます。
![](https://self-development.info/wp-content/uploads/2022/04/image-1-3.png)
output.xmlには、XML形式で結果を保存しています。
![](https://self-development.info/wp-content/uploads/2022/04/image-2-1.png)
ここまで確認できれば、Robot Frameworkの動作確認としては十分でしょう。
以上、Robot Frameworkの動作確認を説明しました。
追記 2022年4月12日
Quick Start Guideについては、次の記事で説明しています。