ノーコーディングの極み:AIだけでNodeJSプロジェクトを作り上げた実践記

ノーコーディングの極み:AIだけでNodeJSプロジェクトを作り上げた実践記 AI

本記事は、Redditに投稿されたAIコード生成に関する経験談をまとめたものです。多くの開発者からのコメントも参考にしています。
AIによるコード生成技術は日々進化しています。プログラマーの作業効率も大幅に向上しています。

Redditの投稿者は、CursorとWindsurf、そしてClaudeを駆使しました。
その結果、NodeJSとMongoDBのプロジェクトを100%AI生成コードで完成させることに成功したのです。

開発効率を高めるには、AI技術の効果的な活用方法を知る必要があります。
以下では、そのコツを解説します。

プロジェクト構造から始める

AIにコードを書かせる前に、プロジェクト全体の構造を決めましょう。この段階は非常に重要です。

まずは全体像を明確にします。その後で具体的なコードの生成に移ります。
NodeJSプロジェクトでは、下記のような構造が基本となります。

project-root/
  ├── src/
  │   ├── config/
  │   ├── controllers/
  │   ├── models/
  │   ├── routes/
  │   ├── services/
  │   └── utils/
  ├── tests/
  ├── .env
  ├── package.json
  └── README.md

AIに「このプロジェクト構造で作成して」と指示します。
このシンプルな一歩が、開発の一貫性を保つ鍵となります。

チャットとエージェントの使い分け

AIコーディングツールには、チャット機能とエージェント機能があります。
これらは用途に応じて使い分けるべきです。

チャットタブは以下の目的に最適です。

  • アイデアのブレスト
  • 情報収集
  • 概念理解

例えば「効率的なMongoDBクエリの方法は?」といった質問をここで行います。
一方、エージェントタブは実際のコード生成に使います。
「ユーザー認証機能を実装して」といった具体的な依頼をここで行うと効果的です。

AIのカスタマイズを進める

プロジェクトを進めながら、AIの動作をカスタマイズしましょう。
「AIへの指示」や「RulesForAI.md」ファイルを作ります。ここにプロジェクト固有のルールを定義します。

例えば、こんなルールが有効です。

  • ファイル名はキャメルケース
  • JSDocスタイルのコメント
  • 詳細なエラーハンドリング
  • 各関数に単体テスト

こうしたルールがAIの生成するコードの質を高めます。

複雑な問題は分割して考える

AIを活用する上で最重要なのは、問題の分割です。
「PDFからテキストを抽出して要約する」という要求は、2つに分けましょう。

  1. PDFからテキストを抽出
  2. 抽出したテキストを要約

複雑な機能を一度に求めるのは避けます。
小さく分割し、一つずつ実装します。
そうすれば精度の高いコードが得られます。

コーディング前のブレインストーミング

コード生成前に、AIと問題解決の方法について話し合いましょう。
「この機能の実装方法は?」と質問します。

AIの提案を検討した後で、コード生成に移ります。
この過程で、見落としていた問題点が見つかることも多いです。

ファイル名とモジュール性の重要性

AIコーディングツールは、すべてのファイルをコンテキストに含めません。
そのため、ファイル名が明確であることが重要です。

例えば、単にutils.jsではなく、dateFormatUtils.jsのような具体的な名前を使います。
これでコードの重複を防げます。

また、一つのファイルに多機能を詰め込まないことも大切です。
責任が明確な小さなモジュールに分割します。
そうすればAIの理解も容易になります。

テストコードは必須

小さなプロジェクトでも、テストコードを書く習慣をつけましょう。
AIはテストコード生成も得意としています。

// userService.test.js
const { createUser } = require('../services/userService');
const User = require('../models/User');

jest.mock('../models/User');

describe('User Service', () => {
  test('createUser should create a new user successfully', async () => {
    // モックの設定
    User.findOne.mockResolvedValue(null);
    User.create.mockResolvedValue({
      id: '123',
      username: 'testuser',
      email: 'test@example.com'
    });

    // 関数の実行
    const result = await createUser('testuser', 'test@example.com', 'password');

    // 検証
    expect(User.findOne).toHaveBeenCalledWith({ email: 'test@example.com' });
    expect(User.create).toHaveBeenCalled();
    expect(result.username).toBe('testuser');
  });
});

テストがあれば機能の正常動作を確認できます。
将来の変更も安心して行えるようになります。

こまめなコミットが命綱

コード生成の度に、こまめにGitコミットしましょう。
これは非常に重要です。

数か月の作業が消えても、コミットがあれば復旧できます。
「動くからもういいや」とコミットを怠ると、後悔することになります。
Reddit上では、4ヶ月分の作業を失った例も報告されています。

基本的に、次のタイミングでコミットします。

  • 新機能の実装後
  • バグ修正後
  • テスト追加後
  • ドキュメント更新後

会話のフォーカスを保つ

AIとの会話が長引くと、コンテキストが複雑になります。
その結果、AIの回答精度が低下することもあります。

新しい問題に取り組む際は、新たな会話を始めましょう。
これでAIは新しい課題に集中できます。
回答の質も向上します。

会話履歴も整理されるので、後から参照する際にも便利です。

動作するコードに満足しない

AIが生成したコードが動作しても、そのまま採用は危険です。
次の観点から批判的に検討しましょう。

  • 効率:無駄な処理はないか
  • セキュリティ:脆弱性はないか
  • 可読性:他の開発者が理解できるか
  • 保守性:将来の変更は容易か

コードを理解し、必要に応じて修正する技術力は依然として重要です。
これは非技術者がAIだけでプロジェクトを完成させるのが難しい理由でもあります。

新技術に対するAIの限界

AIは学習データに基づいて回答します。
最新技術については情報が不足していることがあります。

例えば、新しい決済ゲートウェイの統合では、AIが誤った実装方法を提案することがあります。
こうした場合は、公式ドキュメントをAIに提供しましょう。
これで正確なコードが得られます。

デバッグの工夫

AIが問題解決でループに陥ったら、デバッグステートメントの挿入を依頼しましょう。
AIはデバッグも得意です。

しかし、問題箇所の特定には適切な情報が必要です。
例えば、こう指示します。

このコードで問題が発生しています。原因がわかりません。
デバッグステートメントを追加して、各ステップの動作を確認できるようにしてください。

これでAIはログステートメントを追加します。
問題の特定が容易になります。

まとめ

AIコード生成技術は開発効率を大幅に向上させます。
しかし、闇雲な指示では期待通りの結果は得られません。

プロジェクト構造の設計、問題の分割、テストコードの作成が重要です。
定期的なコミットも忘れないでください。

AIが生成したコードは批判的に検討します。
必要な修正ができる技術力も引き続き重要です。

AIは強力な補助ツールです。
開発者の知識や判断を完全に代替するものではありません。

実用環境では100%AI生成コードの採用は慎重に検討すべきです。
しかし、サイドプロジェクトでの経験は、AIの効率的な活用法を学ぶ良い機会となるでしょう。

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