Redisの開発を主導するRedis Ltd.が、ライセンスの変更を発表しました。
Redis 7.4以降のライセンスは、BSD-3から以下のデュアルライセンスに変わります。
- Redis Source Available License 2.0(RSALv2)
- Server Side Public License(SSPLv1)
ユーザーは引き続きRedisのソースコードを無料で使用できます。
しかし、クラウドサービスプロバイダーは無料で使用できなくなるのです。
オープンソースコミュニティはこの変更に反発しています。
すでにRedis 7.2.4からオープンソースライセンスを継続したフォークが登場している状態です。
このような場合は、とりあえずライセンスをちゃんと確認しましょう。
BSDライセンスとは?
BSDライセンスとは、無償でソフトウェアを再配布したり改変したりできるオープンソースライセンスの一種です。
そして、このライセンスの特徴は、ライセンス条件が非常にシンプルで寛容な点にあります。
また、著作権表示の改変禁止など最小限の制約しかないため、商用利用も可能です。
一方で、無保証であり、著作者は一切の責任を負わないとしています。
つまり、利用者が自己責任で使うことが求められるライセンスだと言えるでしょう。
Redis Source Available License 2.0(RSALv2)とは?
これは、Redisが提供するソフトウェアコンポーネントに適用されるライセンスです。
そして、このライセンスの下でソフトウェアを利用するには、ライセンス条項に同意する必要があります。
また、ソフトウェアの機能をサードパーティに提供したり、ソフトウェアを配布したりすることは制限されています。
ただし、特許については、一定の条件の下で、Redisの特許クレームの下でライセンスが付与されます。
そして、ソフトウェアを変更した場合は、変更した旨の目立つ通知を含める必要があります。
一方、ライセンス違反をした場合、ライセンスは自動的に終了します。
また、ソフトウェアは「現状有姿」で提供され、Redisは一切の責任を負いません。
そして、ライセンスの準拠法と裁判管轄は、利用者の所在地によって異なります。
つまり、カリフォルニア州法、イスラエル法、イングランドとウェールズの法律のいずれかが適用されるということです。
ちなみに、日本は「Asia, Pacific, Americas, or other jurisdictions not listed below」に含まれます。
したがって、日本に位置する場合、この契約はアメリカ合衆国カリフォルニア州の法律に従ってすべての点で解釈され、施行されます。
そして、カリフォルニア州サンタクララ郡に位置する裁判所が、この契約に関連するすべての目的についての専属的な管轄権を持ちます。
Server Side Public License(SSPLv1)とは?
Server Side Public License (SSPL)は、MongoDBが開発したコピーレフトライセンスです。
そして、SSPLは2018年にMongoDBによって公開されました。
また、SSPLはGNU Affero General Public License version 3 (AGPL v3)のテキストと規定のほとんどを含んでいます。
ただし、ネットワークを介して伝達されるソフトウェアに関する規定が修正されています。
つまり、SSPLの下でライセンスされたソフトウェアの機能をサービスとして第三者に提供する者は、
サービスを実行するために必要なすべてのソフトウェア、API、その他のソフトウェアを含む、
ソースコードの全体をSSPLの下でリリースしなければならないということです。
一方、AGPL v3の同等の規定は、ライセンスされた作品自体のみをカバーしています。
また、SSPLはオープンソース定義に準拠しておらず、Open Source Initiative (OSI)やRed Hat、Debianなどによってフリーソフトウェアとは見なされていません。
そして、MongoDBデータベースはSSPLの下で再ライセンスされ、それに伴い、
DebianやRed Hat Enterprise Linux、FedoraはMongoDBのサポートを打ち切りました。