この記事では、セ・リーグのエースたちの投球を分析しています。
分析の内容は、三振を奪う場合の決め球についてです。
どの球種で三振を奪うのか?
これをピンポイントで分析しています。
本記事の内容
- 分析データの説明
- エースの定義
- 菅野 智之(巨人)の決め球
- 大野 雄大(中日)の決め球
- 西 勇輝(阪神)の決め球
- 森下 暢仁(広島)の決め球
- 小川 泰弘(ヤクルト)の決め球
- 大貫 晋一(DeNA)の決め球
- エースの投球の分析結果を見た感想
それでは、上記に沿って解説していきます。
分析データの説明
2020年プロ野球のピッチャー全投球を対象としています。
期間は、2020年06月19日~2020年10月10日となります。
全投球数は、173373球。
Yahooスポーツの一球速報が、データの取得元です。
Python(Selenium)のスクレイピングにより、データを収集しています。
https://baseball.yahoo.co.jp/npb/game/2020101006/score?index=0110100
エースの定義
セ・リーグのエースの投球を見ていきます。
でも、その前にエースは誰やねん?という疑問が出てきませんか?
そこで、エースの定義を記しておきます。
2020/10/11時点で規定投球回数以上を投げている投手が対象です。
それが以下。
なんと、5人しか規定投球回数をクリアしていません。
DeNAにいたっては、誰一人もクリアしていないのです。
とりあえず、この時点で上記5人をエースとします。
小川以外は、成績もエースにふさわしいモノと言えます。
では、DeNAはどうしましょうか?
成績を見る限りでは、2年目の大貫 晋一投手になりますね。
以下は、大貫投手の過去成績です。
今年になってブレークということなのでしょう。
素晴らしい成績です。
今年に限って言えば、エースと言っても良いでしょう。
以上、セ・リーグの各チームのエースが出揃いました。
あくまで、2020年シーズンの10月11日までの成績で判別しています。
菅野 智之(巨人)の決め球
全投球(1804球) | 決め球(107球) | ||
ball_type | count | ball_type | count |
ストレート | 594 | スライダー | 40 |
スライダー | 520 | ストレート | 31 |
フォーク | 267 | フォーク | 25 |
シュート | 173 | カーブ | 7 |
カットボール | 145 | シュート | 3 |
カーブ | 105 | カットボール | 1 |
決め球の107球という数字は、奪った三振の数ということです。
全投球で見ても、スライダーが約3割ですね。
そして、決め球はスライダーが約38%でトップです。
さすがに、スライダーピッチャーと言われるだけはあります。
大野 雄大(中日)の決め球
全投球(1762球) | 決め球(121球) | ||
ball_type | count | ball_type | count |
ストレート | 919 | ストレート | 55 |
ツーシーム | 414 | フォーク | 31 |
スライダー | 276 | ツーシーム | 29 |
フォーク | 152 | スライダー | 6 |
チェンジアップ | 1 |
なかなか、興味深い結果が出ました。
大野投手は、フォークを全投球で10%も投げません。
しかし、決め球においてはフォークが25%となります。
まさに、フォークが決め球と言えますね。
西 勇輝(阪神)の決め球
全投球(1836球) | 決め球(101球) | ||
ball_type | count | ball_type | count |
スライダー | 616 | チェンジアップ | 39 |
シュート | 574 | スライダー | 35 |
チェンジアップ | 475 | シュート | 24 |
ストレート | 113 | カーブ | 2 |
カーブ | 58 | ストレート | 1 |
これまた、極端ですね。
西投手は、ストレートをほとんど投げません。
完璧に変化球投手と言えます。
ここまでとは思っていませんでした。。。
森下 暢仁(広島)の決め球
全投球(1690球) | 決め球(104球) | ||
ball_type | count | ball_type | count |
ストレート | 859 | ストレート | 54 |
カットボール | 417 | カットボール | 28 |
カーブ | 231 | チェンジアップ | 13 |
チェンジアップ | 183 | カーブ | 9 |
2019年のドラフト1位です。
ルーキーで現状の成績は、素晴らしいの一言ですね。
新人王の可能性は、かなり高いでしょう。
ほぼ全投球と決め球の比率が同じです。
逆に言えば、これといった決め球がないとも言えます。
コントールがいいのでしょうかね。
正直、あまり知りません・・・
小川 泰弘(ヤクルト)の決め球
全投球(1528球) | 決め球(71球) | ||
ball_type | count | ball_type | count |
ストレート | 586 | ストレート | 38 |
カットボール | 248 | フォーク | 12 |
チェンジアップ | 202 | チェンジアップ | 9 |
スライダー | 165 | カットボール | 7 |
シュート | 137 | スライダー | 3 |
フォーク | 134 | シュート | 1 |
ナックルカーブ | 56 | ナックルカーブ | 1 |
ライアン小川です。
こんなに球種が豊富だったのですね。
知りませんでした。
基本的には、伸びるストレートで三振を奪うという印象通りでしょうか。
大貫 晋一(DeNA)の決め球
全投球(1194球) | 決め球(56球) | ||
ball_type | count | ball_type | count |
スプリット | 322 | スプリット | 18 |
ストレート | 288 | ストレート | 17 |
ツーシーム | 221 | スライダー | 7 |
スライダー | 168 | チェンジアップ | 5 |
カットボール | 118 | ツーシーム | 4 |
カーブ | 62 | カットボール | 3 |
チェンジアップ | 15 | カーブ | 2 |
スプリットをこれだけ投げる投手が、日本にもいるのですね。。。
この投手に関しても、ほとんど知りませんでした。
でも、かなり面白い結果です。
今後は、追いかけたい投手になりました。
エースの投球の分析結果を見た感想
どうでしたでしょうか?
私は、結果を見てかなり驚いています。
中でも最も驚いたのは、阪神の西 勇輝投手です。
これほどまで、ストレートを投げないとは・・・
そもそも、投手の全投球をきちんと見たことはありませんでした。
というより、そもそもそんなデータが公開されているのでしょうか?
有料ならあるのかもしれません。
プロ野球をこのようなデータを元に見ると、また違った面白さがありますね。
次回は、パ・リーグのエースをまとめてみようと思います。