この記事では、パ・リーグのエースたちの投球を分析しています。
分析の内容は、三振を奪う際の決め球についてがメインです。
エースたちは、どのような球種で三振を奪うのか?
昨日に投稿した記事のパ・リーグ版となります。
セ・リーグのエース版では、特に阪神の西投手が驚きでした。
ほとんどストレートを投げないことが、データで証明されました。
パ・リーグのエースたちは、どのような結果となるでしょうか?
本記事の内容
- 分析データの説明
- エースの定義
- 山本 由伸(オリックス)の決め球
- 涌井 秀章(楽天)の決め球
- 有原 航平(日本ハム)の決め球
- 石川 歩(ロッテ)の決め球
- ニール(西武)の決め球
- 千賀 滉大(ソフトバンク)の決め球
- エースの投球の分析結果を見た感想
それでは、上記に沿って解説していきます。
分析データの説明
2020年プロ野球における、昨日までのピッチャーの全投球を対象としています。
期間は、2020年06月19日~2020年10月12日となります。
全投球数は、175752球です。
Yahooスポーツの一球速報が、データの取得元です。
Python(Selenium)のスクレイピングによって、データを収集しています。
https://baseball.yahoo.co.jp/npb/game/2020101201/score?index=0110100
エースの定義
エースとは?
これについて、定義を決めておきます。
セ・リーグにおけるエースの定義と同じでいきましょう。
まずは、規定投球回数を確認します。
セ・リーグでは、5人しか規定投球回数をクリアしていませんでした。
それに対して、パ・リーグは7人ですね。
なんと、首位のソフトバンクは誰も規定投球回数をクリアしていません。
首位なのに不思議です。
オリックスは、山本由伸は文句はナシ。
ロッテは、石川投手でしょうね。
楽天、日ハム、西武は上記のメンツとしましょう。
問題は、ソフトバンクです。
とりあえず、勝利数のランキングを確認します。
なるほどです。
ソフトバンクが、首位である理由がわかりました。
一人選ぶとしたら、やはり千賀投手ですね。
以上より、各チームのエースが出揃いました。
山本 由伸(オリックス)の決め球
全投球(1733球) | 決め球(132球) | ||
ball_type | count | ball_type | count |
ストレート | 614 | フォーク | 54 |
フォーク | 371 | ストレート | 38 |
カーブ | 265 | カーブ | 19 |
カットボール | 241 | スライダー | 13 |
シュート | 165 | シュート | 6 |
スライダー | 75 | カットボール | 2 |
チェンジアップ | 2 |
決め球の132球は、奪った三振の数と同じです。
昔はフォークと言えば、野茂でした。
しかし、今は山本投手と言えるのでしょう。
早くメジャー(MLB)で見てみたいと思える投手です。
涌井 秀章(楽天)の決め球
全投球(1734球) | 決め球(95球) | ||
ball_type | count | ball_type | count |
ストレート | 804 | ストレート | 43 |
スライダー | 308 | スライダー | 30 |
シンカー | 229 | チェンジアップ | 15 |
チェンジアップ | 131 | シンカー | 4 |
カーブ | 129 | カーブ | 2 |
カットボール | 69 | シュート | 1 |
シュート | 64 |
今年は、楽天のエースなのですね。
どこのチームに行っても、エースになれるのはシンプルに凄いです。
印象通りです。
多彩な変化球と抜群のコントールで勝負というところでしょうか。
メインの変化球は、スライダーとなりますね。
有原 航平(日本ハム)の決め球
全投球(1768球) | 決め球(96球) | ||
ball_type | count | ball_type | count |
ストレート | 510 | フォーク | 32 |
チェンジアップ | 343 | チェンジアップ | 31 |
カットボール | 237 | ストレート | 22 |
ツーシーム | 221 | カットボール | 5 |
スライダー | 217 | スライダー | 5 |
フォーク | 166 | ツーシーム | 1 |
カーブ | 74 |
フォークは10%も投げないのに、最も三振を取る球種です。
チェンジアップと僅差ですが。
でも、フォークボールが決め球と言ってもよいでしょう。
有原投手は、イメージ以上に変化球投手なのですね。
体格から、ストレートでガンガン押すようなイメージでした。
この分析結果から、そのイメージを改めます。
石川 歩(ロッテ)の決め球
全投球(1630球) | 決め球(61球) | ||
ball_type | count | ball_type | count |
ストレート | 467 | ストレート | 21 |
カットボール | 342 | シンカー | 20 |
シンカー | 306 | カットボール | 12 |
ツーシーム | 277 | ツーシーム | 5 |
カーブ | 238 | カーブ | 3 |
これは、興味深い結果です。
全球種を投げ分けています。
ここまで満遍なく投げるピッチャーもなかなかいません。
球種を読むのが、難しい投手の一人かもしれません。
決め球は、シンカーですね。
確かに、シンカーは印象にあります。
ニール(西武)の決め球
全投球(1599球) | 決め球(60球) | ||
ball_type | count | ball_type | count |
ツーシーム | 692 | チェンジアップ | 24 |
チェンジアップ | 490 | ツーシーム | 16 |
カットボール | 237 | カットボール | 11 |
スライダー | 73 | ストレート | 6 |
カーブ | 64 | スライダー | 3 |
ストレート | 43 |
昨年から、ガクンと成績を落としています。
阪神の西勇輝投手並にストレートを投げません。
でも、ツーシームはストレートみたいなモノですよね。
その意味では、ニール投手は変化球投手とは言えないのではないでしょうか。
分析結果からは、打たせて取るピッチャーだと推測できます。
千賀 滉大(ソフトバンク)の決め球
全投球(1666球) | 決め球(113球) | ||
ball_type | count | ball_type | count |
ストレート | 770 | ストレート | 44 |
カットボール | 342 | フォーク | 40 |
フォーク | 288 | カットボール | 24 |
スライダー | 243 | スライダー | 5 |
カーブ | 12 | ||
シンカー | 8 | ||
ツーシーム | 3 |
イメージ通りです。
やはり、フォークが決め球だと確認できますね。
今年は、調子が悪かったようです。
でも、調子を上げて来ましたね。
エースの投球の分析結果を見た感想
結論から言うと、セ・リーグほどの驚きはありません。
でも、次の2点は取り上げておきましょう。
- オリックス山本投手のフォークの決定力
- ロッテ石川投手の均等化された投球
山本投手の高速フォークを知ってはいました。
でも、ここまでの決定力があるとは・・・
あとは、ロッテの石川投手ですね。
あれほどまでに満遍なく持ち球を投げる投手も珍しいのではないでしょうか?
最後に。
両リーグのエースの決め球分析を行ってきました。
昨日と今日と2日連続で。
エースという先発投手ですら、興味深い結果が出ました。
リリーフ投手を決め球分析の対象にしたら、もっと面白い結果がでるかもしれません。
ソフトバンクのモネイロは、面白そうです。
今年はカーブで三振をバンバン取っている印象です。
データでもそうなのかどうか?ですね。