Ubuntuでaptコマンドによるインストールは、便利ですよね。
バージョンさえ気にしなければ、aptコマンドでのインストールで十分でしょう。
でも、それだと最新バージョンはインストールできません。
今回は、最新版のSambaをインストールするために、いろいろと方法を考えました。
この記事では、その検討過程とその結果についてまとめています。
本記事の内容
- OS標準のSamba
- 最新版Sambaのインストール方法
- aptコマンドによるOS標準Sambaのインストール
それでは、上記に沿って解説していきます。
OS標準のSamba
今回、Sambaのインストール先となるOSは以下。
$ cat /etc/lsb-release DISTRIB_ID=Ubuntu DISTRIB_RELEASE=20.04 DISTRIB_CODENAME=focal DISTRIB_DESCRIPTION="Ubuntu 20.04.1 LTS"
Ubuntu 20.04 LTSのOS標準となるSambaパッケージを確認します。
$ sudo apt show samba Package: samba Version: 2:4.11.6+dfsg-0ubuntu1.8 Priority: optional Section: net Origin: Ubuntu Maintainer: Ubuntu Developers <ubuntu-devel-discuss@lists.ubuntu.com> Original-Maintainer: Debian Samba Maintainers <pkg-samba-maint@lists.alioth.debian.org> Bugs: https://bugs.launchpad.net/ubuntu/+filebug Installed-Size: 16.6 MB Pre-Depends: dpkg (>= 1.15.6~), init-system-helpers (>= 1.54~) Depends: adduser, libpam-modules, libpam-runtime (>= 1.0.1-11), lsb-base (>= 4.1+Debian), procps, python3 (<< 3.9), python3-dnspython, python3-samba, samba-common (= 2:4.11.6+dfsg-0ubuntu1.8), samba-common-bin (= 2:4.11.6+dfsg-0ubuntu1.8), tdb-tools, python3 (>= 3.8~), python3:any, libbsd0 (>= 0.6.0), libc6 (>= 2.14), libgnutls30 (>= 3.6.12), libldb2 (>= 2:2.0.10~), libpopt0 (>= 1.14), libpython3.8 (>= 3.8.2), libtalloc2 (>= 2.2.0~), libtasn1-6 (>= 4.14), libtdb1 (>= 1.4.2~), libtevent0 (>= 0.10.0~), libwbclient0 (= 2:4.11.6+dfsg-0ubuntu1.8), samba-libs (= 2:4.11.6+dfsg-0ubuntu1.8) Recommends: attr, logrotate, python3-markdown, samba-dsdb-modules, samba-vfs-modules Suggests: bind9 (>= 1:9.5.1), bind9utils, ctdb, ldb-tools, ntp | chrony (>= 3.0-1), smbldap-tools, ufw, winbind Enhances: bind9, ntp Homepage: http://www.samba.org Task: samba-server Download-Size: 971 kB APT-Sources: http://archive.ubuntu.com/ubuntu focal-updates/main amd64 Packages Description: UNIX 用 SMB/CIFS ファイル、プリンタ、認証サーバ Samba は Unix システムでの SMB/CIFS プロトコルの実装です。ファイルやプリンタを Microsoft Windows、OS X や他の Unix システムと クロスプラットフォームに共有できるようにします。Samba は NT4 ドメインの ドメインコントローラとして機能するほか、NT4 ドメインや Active Directory の レルムにメンバサーバとして参加することもできます。 . 本パッケージは、Samba をスタンドアロンのファイル、プリンタサーバ、 NT4 または Active Directory のドメインコントローラとして 動作させるのに必要なコンポーネントを提供します。NT4 ドメインや Active Directory のレルムに参加させる場合は、winbind パッケージも必要です。 . 本パッケージは、既存の SMB/CIFS サーバに接続したり (smbclient パッケージ)、 リモートのファイルシステムをマウントしたり (cifs-utils パッケージ) する際には不要です。
現状aptコマンドでインストール可能なのは、Samba 4.11.6です。
この4.11.6は、2020年1月28日にリリースされています。
現時点(2021年6月末)における最新版は、Samba 4.14.5となります。
この最新版は、2021年6月1日にリリースされています。
約1年半の期間の差が、あります。
1年半の差は大きいと言えば、大きいです。
そこで、最新版のSambaをインストールする方法を検討しましょう。
最新版Sambaのインストール方法
最新版をインストールしたい場合、以下の方法が考えられます。
- PPAリポジトリを利用する
- debパッケージを利用する
- ソースを利用する
以下をそれぞれ確認していきます。
PPAリポジトリを利用する
“The Linux Schools Project” team
https://launchpad.net/~linux-schools/+archive/ubuntu/samba-latest
「The Linux Schools Project」という組織が、PPAリポジトリを用意しています。
これを追加すれば、aptコマンドで最新版Sambaがインストール可能になります。
残念ながら、このパッケージはかなりカスタマイズされています。
例えば、起動コマンドが異なります。
設定ファイルの場所も、標準のモノとは異なっています。
正直、使いづらいです。
これは、実際にインストールしての感想となります。
したがって、Sambaのインストールに関しては、PPAを利用することはおススメしません。
なお、他に利用できそうなPPAはありませんでした。
debパッケージを利用する
Ubuntu 21.04用のOS標準Samba
https://ubuntu.pkgs.org/21.04/ubuntu-main-amd64/samba_4.13.3+dfsg-1ubuntu2_amd64.deb.html
上記パッケージは、Ubuntu公式です。
そのため、安心してインストールできます。
ただ、最新ではありません。
最新ということであれば、以下が見つかりました。
DebianTesting
http://samba.tranquil.it/debian-buster-testing/samba-4.14.5/
上記ページ上で、debパッケージが用意されています。
結構多くのdebパッケージがあります。
公開元を調べたら、フランスのIT企業です。
その意味では、怪しいということはないでしょう。
ソースを利用する
公開されているソースを利用します。
ビルドして、インストールすることになります。
Samba公式
https://wiki.samba.org/index.php/Build_Samba_from_Source
インストール方法は、上記ページで詳しく説明されています。
しかし、ソースからのインストールは基本的にはナシです。
管理できなくなって、後々にトラブルの元となります。
まとめ
検討した結果、最新版Sambaをインストールしません。
インストールするなら、debパッケージを利用しようと考えました。
しかし、依存関係が多すぎます。
何個もdebパッケージをインストールする価値が、本当にあるのかどうかです。
Sambaなんて、所詮はLAN内で利用することがほとんどでしょう。
つまり、閉じたネットーワークでの利用となります。
それなら、そこまで最新版に拘る必要もないだろうということです。
そのように考えれば、1年半ほど前でも全然OKとなります。
それに、Samba 4系で同じメジャーバージョンです。
機能的にも、それほどの差はないでしょう。
よって、OS標準のSambaをそのままインストールします。
以上、最新版Sambaのインストール方法について説明しました。
次は、aptコマンドでOS標準のSambaをインストールしていきます。
aptコマンドによるOS標準Sambaのインストール
最初に、パッケージリストの更新を行います。
そして、Sambaのインストールを実行します。
$ sudo apt-get update $ sudo apt-get install -y samba
インストールには、数分程度の時間がかかります。
インストールが完了したら、次のコマンドで動作確認を行いましょう。
$ samba -V Version 4.11.6-Ubuntu
やってしまえば、簡単にインストールができます。
これが、OS標準のソフトウェアの利点です。
しかし、バージョン固定であるがゆえに、最新版を利用できないというデメリットもあります。
こればっかりは、ソフトウェア毎に判断していくしかないでしょうね。
今回のSambaは、社内・家庭内といったクローズドな環境で動かすことが多いソフトウェアです。
その点では、セキュリティをそこまで意識する必要はありません。
だから、1年半以上前のバージョンでも問題なしと判断しました。
外部に公開された環境で利用するソフトウェアなら、また事情は異なります。
できる限りで最新、最新となるでしょう。
そのような場合には、ソースからのインストールでも躊躇なく行います。
以上、aptコマンドによるOS標準Sambaのインストールについて説明しました。