コードの「読みにくさ」を数値化できる!Python開発者が注目するcomplexipy v4.0

コードの「読みにくさ」を数値化できる!Python開発者が注目するcomplexipy v4.0 プログラミング

コードレビューで「このコード、ちょっと読みにくいな」と感じたことはありませんか?
その感覚、実は数値化できるのです。

認知的複雑度(cognitive complexity)という指標があります。
これを使えば、コードの読みやすさを客観的に評価できます。

最近、Pythonコミュニティで注目を集めているツールがあります。
complexipyです。バージョン4.0がリリースされ、より実用的になりました。

この記事では、認知的複雑度の概念とcomplexipyの活用法を解説します。

認知的複雑度とは何か

従来、コードの複雑さを測る指標として循環的複雑度が使われてきました。
これはテストの難しさを表す指標です。

一方、認知的複雑度は違います。
人間がコードを理解する難しさを測定するのです。

例えば、深くネストしたif文を考えてみましょう。
循環的複雑度では単純にカウントされます。

しかし、認知的複雑度では深さに応じてペナルティが加算されます。
なぜなら、人間にとってネストが深いコードは理解が困難だからです。

この指標はSonarのG. Ann Campbellによって提案されました。
現在では多くの開発チームが採用しています。

complexipyの特徴と強み

complexipyはPython専用の認知的複雑度分析ツールです。
高速で動作します。

そして、様々な開発環境と統合できる点が特徴です。
v4.0では大きな改善が加えられました。

まず、pyproject.tomlでの設定が可能になったのです。
これにより、プロジェクト全体で一貫した基準を保てます。

[tool.complexipy]
max-complexity = 15
ignore-paths = ["tests/", "migrations/"]

このような設定をプロジェクトルートに置くだけです。
チーム全体で同じ基準を共有できるわけです。

また、boolean演算子のカウント方法が修正されました。
元の論文の定義により忠実になったということです。

結果として、以前より高い複雑度が報告される場合があります。
でも、より正確な測定が可能になりました。

実際の活用方法

開発現場でcomplexipyを導入する際は、段階的なアプローチが効果的です。

まず、既存のコードベースで実行してみましょう。
高い複雑度を示す関数を特定できます。

ただし、いきなり全体に制限を設けるのは避けるべきです。
CI/CDパイプラインに組み込む場合のコツがあります。

最初は–ignore-complexityフラグを使うのです。
これで複雑度は測定されます。

しかし、ビルドは失敗しません。
チームメンバーが慣れてきたら、徐々に制限を厳しくしていけばよいでしょう。

VSCode拡張機能も提供されています。
リアルタイムでフィードバックを受けながらコーディングできます。

複雑なコードを書く前に気づけるのは大きなメリットです。

AIコード生成時代における重要性

最近、AIによるコード生成が普及しています。
GitHub CopilotやChatGPTを使う開発者も増えました。

しかし、問題があります。
AIが生成するコードは必ずしも読みやすいとは限らないのです。

ある開発者のコメントが興味深いです。
AIが生成したコードをOSSプロジェクトに投稿する例が増えているそうです。

これらのコードは動作するかもしれません。
でも、メンテナンスが困難な場合があります。

complexipyのような客観的な指標があれば助かります。
AIが生成したコードの品質を評価できるからです。

複雑度が高すぎる場合は、リファクタリングを促すこともできるでしょう。

技術的負債としての複雑度

認知的複雑度は技術的負債の一種です。
放置すると雪だるま式に増えていく性質があります。

新しいメンバーがチームに加わったときを考えてみてください。
複雑なコードベースは大きな障壁となります。

理解に時間がかかります。
そして、生産性が上がりません。

早期に対処することが重要となります。
将来的なコストを削減できるからです。

チーム内で複雑度削減の文化を育てる方法:

  • 複数のメンバーでリファクタリングタスクを分担する
  • 定期的に複雑度のレビューを行う
  • 成功事例を共有する

この経験は、今後のコード作成にも活かされるでしょう。

まとめ

認知的複雑度は、コードの読みやすさを数値化する実践的な指標です。
complexipy v4.0は、この指標をPythonプロジェクトに簡単に導入できるツールとして進化しました。

設定ファイルのサポート。
正確な測定アルゴリズム。
様々な統合オプション。
これらの機能により、チーム全体でコード品質を向上させることが可能です。

AIコード生成が当たり前になりつつある現在、重要性は増すばかりです。
人間が理解しやすいコードを維持することは、ますます大切になっています。

段階的な導入と継続的な改善。
これがコード品質向上の鍵です。

まずは自分のプロジェクトで試してみてはいかがでしょうか。

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