AIペアプログラミング:ChatGPTにシニアエンジニアとなってもらう

AIペアプログラミング:ChatGPTにシニアエンジニアとなってもらう AI

プログラミングの世界では、問題解決力と効率的な作業プロセスが成功を左右します。
特に一人で開発する場合や初心者は、行き詰まったときに相談できる相手が必要です。

ChatGPTはその相談相手として優れています。
しかし多くの人は単なるコード生成ツールとしか見ていません。

今回は、ChatGPTを「チームの一員」として活用する方法を紹介します。

ChatGPTの本質的な価値

プログラミングでは、構文を全て暗記する必要はありません。
特別なプラグインや魔法のような技も不要です。

必要なのは明確なプロセスです。
そして、行き詰まったときに一緒に考えてくれる相手が重要です。

ChatGPTは「チートコード」ではなく「チームメイト」として活用すると真価を発揮します。
バグの修正やコードのクリーンアップに役立ちます。
テスト作成やプログラムの動作理解にも力を貸してくれます。

最適な設定

ChatGPTを効果的に活用するには、いくつかの設定調整がおすすめです。

  • Temperature: 0.15(クリーンなコード用)〜0.7(アイデア出し用)
  • Top-p: 0.9(通常)または0.6(焦点を絞った回答用)
  • Deliberate Mode: オンにすると診断精度が上がります

ただし、これらはオプションです。デフォルト設定でも十分活用できます。

実践的な開発ループ

効果的な開発ループはシンプルです。

  1. 問題のあるコードをペーストします
  2. ChatGPTに質問します
  3. 修正案とテストを受け取ります
  4. 実行して検証します
  5. 必要なら繰り返します

ChatGPTは優秀なシニアエンジニアのように働きます。
バグを特定し、修正案を提案します。
テストコードを書き、変更点を説明してくれるでしょう。

実際の例

例として、ゼロ除算エラーを修正する場合を見てみましょう。
まず、バグのあるコードを用意します:

def safe_div(a, b): return a / b  # ゼロ除算でエラー

次に、ChatGPTに「safe_divのゼロ除算を処理し、pytestのテストを追加して」と依頼します。
すると次のような回答が返ってきます:

def safe_div(a, b):
-    return a / b
+    if b == 0:
+        return None
+    return a / b

さらにテストコードも提供してくれます:

import pytest
from busted import safe_div

def test_safe_div():
    assert safe_div(10, 2) == 5
    assert safe_div(10, 0) is None

これを実行すれば、バグの修正と検証が完了します。

効果的なプロンプト

効果的なプロンプトはシンプルなものです:

役割:あなたはシニアエンジニアです。
コンテキスト:[コードとエラーログをペースト]
タスク:バグを見つけて修正し、ユニットテストを追加してください。
形式:Git diffとテストブロック。

プロンプトは複雑にする必要はありません。
適切な枠組みを与えるだけで、ChatGPTは最適な回答をくれます。

効果的なフレーズ集

以下のフレーズを使うと、良い結果が得られます:

  • 「20〜60行目を15歳でもわかるように説明して」
  • 「Hypothesisを使ったエッジケーステストを書いて」
  • 「循環的複雑度を減らすようにリファクタリングして」
  • 「提案した差分を見直して。隠れたバグはない?」
  • 「フロー追跡のためのロギングを追加して」
    これらは、チームメイトに話しかけるような自然な依頼です。

デバッグのメンタルモデル

効果的なデバッグには以下のループが役立ちます:
追跡 → 仮説 → 修正 → テスト → レビュー → マージ

それぞれのステップでは次のことを行います:

  • 追跡:バグを見つけます
  • 仮説:原因を推測します
  • 修正:コードを直します
  • テスト:動作を確認します
  • レビュー:リスクをチェックします
  • マージ:変更を確定します

このループは、どの言語でも通用する普遍的なプロセスです。

スキルアップのヒント

さらに上達するには次の方法がおすすめです:

  • 基本的なpytestの使い方を学びましょう
  • git diffの仕組みを理解しましょう
  • VS Code内でChatGPTを使うと効率が上がります
  • 小さなツールを作って練習すると良いでしょう

まとめ

超優秀なデベロッパーになる必要はありません。
大切なのは前進し続けることです。

この方法を使えば、少ない手戻りでより速く進めます。
デバッグも構築も学習も、どの場面でもChatGPTは力になります。

ChatGPTを「杖」ではなく「チームメイト」として活用しましょう。
きっとプログラミングライフが変わるはずです。

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