「AIがコードを自動生成してくれる」「プロンプトを入力するだけでアプリが完成する」
そんな夢のような話を信じていませんか?残念ながら、それは幻想です。
本記事は、Redditに投稿された投稿を参考にしています。
投稿者は6ヶ月間Cursorを使い込み、2500回以上のプロンプトを通じて現実を知りました。
その経験から導き出された、本当に使える18の実践テクニックをお伝えします。
魔法のような開発が幻想である理由
AIは確かに強力です。
しかし、適切な指示なしには動きません。
曖昧な指示には曖昧な結果で応えます。
そして、セキュリティの穴だらけのコードを生成することもあります。
成功の鍵は、AIを「魔法の箱」ではなく「優秀だが経験の浅いジュニア開発者」として扱うことです。
以下、その前提で実践すべき18のテクニックを紹介します。
準備編:開発前の4つのテクニック
1. ビジョンを言語化する
何を作りたいのか、紙に書き出しましょう。
製品の目的、ユーザー体験、技術要件を整理します。
Gemini 2.5 Proを使って構造化するのも有効です。
曖昧さは失敗の元です。
2. UI/UXを先に固める
コーディング前にUIを設計します。
v0.devのようなツールでプロトタイプを作成しましょう。
デザインシステム、共通コンポーネント、レイアウトパターンを決めておくことで、後の手戻りを防げます。
3. Gitで失敗に備える
AIが暴走することもあります。
必ずGitを使いましょう。
機能開発前にブランチを切り、小さな単位でコミットします。
これが命綱になります。
4. メジャーな技術スタックを選ぶ
AIは公開データで学習しています。
Next.js、Supabase、Tailwind CSS、Vercelのような人気の組み合わせを選びましょう。
マイナーな技術では、質の低いコードしか生成されません。
設定編:Cursor環境の3つのテクニック
5. Cursorルールを設定する
プロジェクトのルールを定義しましょう。
技術スタック、コーディング規約、避けるべきパターンを明記します。
cursor.directoryにテンプレートがあるので活用してください。
6. instructionsフォルダを作る
マークダウンファイルで、ドキュメントやコンポーネントの例を管理します。
AIに参照させることで、一貫性のあるコードを生成できます。
7. 共通の間違いパターンを記録する
AIが繰り返す間違いをドキュメント化します。
新機能開発時にこのファイルを参照させることで、同じ間違いを防げます。
プロンプト編:効果的な指示の4つのテクニック
8. 具体的で詳細な指示を書く
「ユーザー登録機能を作って」ではダメです。
入力項目、検証ルール、エラー表示、成功時の動作まで明記しましょう。
AIに推測させてはいけません。
9. 複雑な機能は3-5段階に分割する
大きな機能を一度に作らせると、AIは混乱します。
カート機能なら「状態管理→商品追加→数量変更→合計計算→UI作成」のように段階的に進めます。
10. 関連ファイルを明示的に指定する
プロジェクトが大きくなると、AIは迷子になります。
変更が必要なファイル、参考にすべきコンポーネント、更新すべき型定義を明確に伝えましょう。
11. 「余計なことをするな」と明記する
指示した変更のみ行ってください。他のファイルや機能には触れないでください
プロンプトの最後にこのように追記します。
これだけで、AIの暴走を防げます。
コンテキスト編:AIの記憶を管理する2つのテクニック
12. チャットセッションを定期的にリセットする
長いチャットは避けましょう。
AIの記憶が混乱します。
機能完成ごとに新しいチャットを開始し、簡潔に前回の作業内容を説明します。
13. 既存コンポーネントを参考として提示する
新しいコンポーネントを作る際、既存のものを参考として提示します。
AIはパターンを学習し、一貫性のあるコードを生成します。
エラー対応編:トラブル時の2つのテクニック
14. 3回失敗したらアプローチを変える
同じエラーに3回以上挑戦してもダメなら、別の方法を試しましょう。
プロンプトを書き直すか、手動で修正してからAIに続きを任せます。
15. デバッグログで原因を特定させる
エラーの原因が不明な場合、AIにログ出力を追加させます。
その結果を基に「トップ3の原因候補」を挙げさせると、解決が早まります。
セキュリティ編:安全なコードのための3つのテクニック
16. サーバー側でも必ず検証する
クライアント側の検証だけでは不十分です。
「サーバー側でも入力値を検証してください」と明記しましょう。
17. 環境変数でシークレットを管理する
APIキーなどの秘密情報は、必ず環境変数に格納します。
.gitignoreへの追加も忘れずに指示しましょう。
18. Geminiでセキュリティレビューする
完成したコードをGemini 2.5 Proに渡し、セキュリティの観点でレビューしてもらいます。
指摘された問題をCursorで修正し、再度確認します。
まとめ:現実的なAI活用へ
Cursorは魔法の杖ではありません。
しかし、適切に使えば強力な開発パートナーになります。
重要なのは:
- AIを過信せず、適切に指示を出す
- 段階的に進め、定期的に確認する
- セキュリティを常に意識する
- 失敗から学び、パターン化する
これらのテクニックを身につければ、AIに振り回されることなく、効率的な開発が可能になります。
完璧を求める必要はありません。
小さく始めて、徐々にスキルを向上させていきましょう。
AIペアプログラミングの真の力は、魔法ではなく、地道な改善の積み重ねから生まれるのです。