ChatGPTに答えさせるな、質問させろ｜解決困難な問題を突破する逆転の発想

問題に直面したとき、あなたはどう対処しますか？
多くの人はChatGPTに直接解決策を求めます。

しかし、もっと効果的な方法があります。
AIに質問させるのです。

最近話題になったアプローチを実際に試してみました。
その結果、従来の使い方では見つからなかった解決策を発見できたのです。

なぜ質問させることが効果的なのか

通常、私たちは問題をChatGPTに説明します。
そして、解決策を求めます。
「このエラーを解決する方法を教えて」という具合に。

しかし、このアプローチには限界があります。
私たちは無意識のうちに重要な情報を省略してしまうからです。

例えば、コードのエラーを解決しようとする場合を考えてみましょう。
環境設定、依存関係、実行コンテキストなど、問題の原因となる要素は無数にあります。
しかし、私たちは「関係ない」と判断した情報を最初から除外してしまいがちです。

ここで発想を転換します。
AIに質問させることで、自分では気づかなかった視点から問題を見直せるのです。

基本的なプロンプトはこうです：

[問題の概要]について、考えられる対策はすべて試しましたが解決していません。
新しいアプローチを見つけるために、この問題について質問してください

実際の使用例を見てみましょう。

あるWebアプリケーションの読み込み速度が遅いという問題がありました。
画像の最適化、CDNの導入、キャッシュの設定など、一般的な対策はすべて実施済みです。

ChatGPTに上記のプロンプトを使って相談しました。
すると、次のような質問が返ってきました：

3つ目の質問で気づきました。
モバイルでは特に遅いことを。
調査の結果、レスポンシブ画像の設定に問題があることが判明したのです。

技術的な問題だけでなく、組織的な課題にも応用できます。

リモートワークでチームの生産性が低下している問題がありました。
この問題に対して使用したところ、「チームメンバーの時差はどの程度ありますか？」という質問が出ました。

この質問により、コアタイムの設定が不適切だったことに気づきました。
各メンバーの生産的な時間帯を考慮していなかったのです。

このアプローチを最大限活用するには、いくつかのポイントがあります。

まず、試した対策を具体的に伝えることです。
「いろいろ試した」では不十分です。
実施した内容を箇条書きで明確に示しましょう。

次に、質問への回答は詳細に行うことです。
「はい」「いいえ」で済ませてはいけません。

背景情報も含めて答えます。
AIはその情報を基に、より深い質問を生成できるようになります。

また、会話を継続することも重要です。
最初の質問セットで解決しなくても、対話を続けることで新しい視点が生まれます。

このアプローチは他のAIモデルでも可能です。

しかし、ChatGPT 4oには特有の強みがあります。
文脈の保持能力が高いのです。

長い会話でも前の内容を踏まえた質問ができます。
また、メタ認知的な能力により、質問の質も向上しています。

さらに、会話の流れを理解できます。
そして、適切なタイミングで方向性を変える判断もできるようになりました。

万能ではありません。
以下の点に注意してください。

専門性の高い分野では、AIの質問が的外れになることがあります。
その場合は、より具体的な背景情報を提供する必要があります。

また、機密情報を扱う場合は慎重になるべきです。
問題を一般化する工夫が必要でしょう。
あるいは、仮想的なシナリオとして相談する方法もあります。

時間的な制約がある場合も不向きです。
対話形式のため、即座の解決策が必要な状況には適しません。

このアプローチの最大の利点は何でしょうか。

それは、自分の思考の盲点を発見できることです。
私たちは問題に直面すると、特定の解決パターンに固執しがちです。

しかし、AIによる質問は違います。
その枠組みから抜け出すきっかけを与えてくれます。

プログラミングの問題に使えます。
ビジネスの課題にも応用できます。
さらには個人的な悩みまで、幅広い分野で活用できるのです。

重要なのは、AIを単なる回答マシンとして使わないことです。
思考のパートナーとして活用しましょう。

質問を通じて新しい視点を得る。
これがChatGPTの新しい使い方です。

次に解決困難な問題に直面したとき、ぜひこのアプローチを試してみてください。
思わぬ突破口が見つかるかもしれません。