ChatGPTを使っていると、ある問題に気づきます。
長期間にわたって同じチャットを続けると、時間の感覚がおかしくなるのです。
Redditのr/ChatGPTで、この問題に対する興味深い解決策が共有されていました。
本記事では、その内容を参考にしながら、ChatGPTのタイムライン管理について解説していきます。
長期チャットで発生する問題
あるRedditユーザーは、家庭菜園の管理に約3ヶ月間同じChatGPTスレッドを使い続けていたそうです。
その中で、ある問題に直面しました。
ChatGPTが時間の経過をうまく把握できないのです。
具体的にはどんな症状でしょうか。
たとえば、2ヶ月前に植えた野菜のことを「数週間前に植えましたね」と言ってきます。
また、特定の月に行った作業を忘れてしまうこともあります。
「5月に何をした?」と聞いても、的確な回答が得られません。
この問題は家庭菜園に限りません。
フィットネス記録やプロジェクト管理、日記的な使い方にも影響します。
つまり、長期間のトラッキングが必要な用途すべてで起こりうる問題なのです。
解決策:Pythonで日時を取得させる
この問題への対処法はシンプルでした。
カスタム指示(パーソナライゼーション)に以下のルールを追加するだけです。
すべての回答の前に、Pythonを使って現在の日時を取得し、回答の最初の行に表示してください。
ここで重要なのは「Pythonを使って」という指定です。
別のユーザーがコメントで指摘していました。
この指定がないと、ChatGPTは日時を推測で答えてしまうことがあるのです。
Pythonで実際に取得させれば、正確な日時が保証されます。
タイムゾーンの指定も有効です。
あるコメントでは、次のような指示が提案されていました。
すべての回答の前に、東部時間で現在の日時をYYYY-MM-DD HH:MM (ET)の形式で表示してください。 会話内の過去のタイムスタンプを確認して、時間経過のコンテキストを把握してください。
タイムゾーンを明示すると、一貫した時間軸での管理が可能になります。
この方法がもたらす効果
日時を各回答に付与すると、いくつかの効果が生まれます。
まず、すべての回答が実際の日付に紐づきます。
そのため、ChatGPTが時間の経過を正確に認識できるようになります。
「先月と今月の進捗を比較して」といった質問にも、的確に答えられるでしょう。
次に、チャットをスクロールして過去を振り返る際の利点です。
視覚的に時間の流れを追えるようになります。
いつ何を話したのかが一目瞭然です。
さらに、月ごとのサマリーを求めた際の精度も向上します。
各エントリにタイムスタンプが含まれているため、時系列での整理が正確になるのです。
予想外の活用事例
投稿者は、予想外の活用方法も発見したそうです。
業務上の自己評価に活用できた、という報告がありました。
「この四半期で月ごとに何を達成したかまとめて」と質問してみたところ、タイムスタンプのおかげで正確な回答が得られたのです。
日々の業務内容をChatGPTに記録している人にとって、これは強力な機能となるでしょう。
ジャーナリングや生活記録にも役立ちます。
たとえば、次のような質問が可能です。
「3月は何に取り組んでいた?」
「4月と5月の進捗を比較して」
「XとYの間はどれくらいの期間だった?」
これらの質問に対して、正確な回答が期待できます。
注意点:個人設定の限界
コメント欄では、個人設定(カスタム指示)の限界についても議論がありました。
指示を追加しても、ChatGPTが従わないケースがあるのです。
たとえば、「絵文字を使わないで」と指定しても、絵文字が出てきてしまうことがあります。
投稿者によると、重要な指示はプロンプト内で複数回繰り返すと効果的とのこと。
また、構造化された形で指示を与えると、従いやすくなる傾向があるようです。
まとめ
ChatGPTは長期間のチャットにおいて、時間の経過を正確に把握するのが苦手です。
しかし、各回答にPythonで取得した日時を付与させることで、この問題を解消できます。
ポイントは3つです。
必ず「Pythonを使って」と指定すること。
タイムゾーンを明示すること。
そして、過去のタイムスタンプを参照するよう指示すること。
この小さな工夫で、家庭菜園の記録から業務の振り返りまで、長期トラッキングの精度が大きく向上します。
ChatGPTを継続的に使っている方は、ぜひ試してみてください。
