「Club World Cupはどこで開催されますか?」
こんなシンプルな質問に、Googleは正確に答えられなくなっています。
検索結果には開催地以外の情報ばかりが並びます。
そして、肝心の「アメリカ」という答えにたどり着けません。
20年以上使い続けたGoogleから、私はChatGPTに乗り換えました。
同じような選択をする人が急速に増えているのです。
検索エンジンの変質
かつてGoogleは、欲しい情報への最短経路でした。
しかし、今は違います。
検索結果の上位を占めるのは広告とSEO対策されたコンテンツばかり。
特に「〜の方法」といった実用的な検索では問題が顕著です。
本題にたどり着く前に、大量のアフィリエイトリンクをかき分ける必要があります。
例えば「エアコンの掃除方法」を検索してみてください。
出てくるのは掃除用品の購入を促す長大な記事ばかり。
実際の手順は記事の最後にわずかに書かれているだけです。
これが現在のウェブ検索の現実なのです。
AIが変える情報アクセス
ChatGPTに同じ質問をすると、状況は一変します。
余計な前置きはありません。
必要な情報を簡潔に提示してくれるのです。
広告もアフィリエイトリンクも存在しません。
この違いは単なる利便性の問題ではありません。
情報へのアクセス方法が根本的に変わろうとしているのです。
従来の検索:
- キーワードを入力する
- 検索結果を確認する
- 必要な情報を探し出す
AIとの対話:
- 自然な言葉で質問する
- 直接答えを得る
- 必要に応じて追加質問する
検索手法の世代間ギャップ
興味深いことに、この変化には世代差があります。
「2025 club world cup location」のようにキーワードだけで検索する人がいます。
一方で、完全な文章で質問する人もいるのです。
前者は検索エンジンの仕組みを理解している世代です。
後者はより直感的なアプローチを好む世代と言えるでしょう。
しかし、皮肉なことがあります。
完全な文章での質問により適しているのは、もはやGoogleではありません。
AIチャットボットなのです。
避けられない未来の課題
ただし、楽観視はできません。
現在のChatGPTが広告から自由な理由は単純です。
まだビジネスモデルが確立していないからに過ぎません。
将来的にはこんな時代が来るかもしれません。
「おすすめの掃除用品はありますか?」という質問に、スポンサー企業の商品を優先的に推薦する。
そんな未来です。
サービスの品質低下は避けられない宿命のようです。
業界ではこれを「enshittification」と呼びます。
どんなプラットフォームも、この運命から逃れることはできません。
プライバシーとデータの扱い
AIチャットボットを使う際、もう一つ考慮すべき点があります。
私たちの質問データがどう扱われるかという問題です。
Googleも検索履歴を収集しています。
しかし、AIとの対話はより詳細で個人的な情報を含みがちです。
- 健康に関する相談
- 法的な質問
- 個人的な悩み
これらのデータがどう活用されるか。
慎重に見守る必要があるでしょう。
新しい情報リテラシー
この変化は、新たなスキルを要求します。
まず、AIの回答を鵜呑みにしてはいけません。
重要な情報は複数のソースで確認する必要があります。
古い情報や誤った情報を見抜く能力も必要です。
同時に、効果的な質問の仕方も学ぶ必要があります。
AIとの対話では、相手が人間ではないことを理解することが大切です。
その上で、いかに明確で具体的な質問をするか。
これが重要になってきます。
まとめ
検索から対話へ。
この変化は単なるツールの交代ではありません。
情報との関わり方の根本的な転換を意味します。
Googleが築いた検索の時代は終わりを迎えつつあります。
しかし新しい時代にも、同じような課題が待ち受けているでしょう。
- 商業化の圧力
- プライバシーの懸念
- 情報の信頼性
これらの問題と向き合う必要があります。
そして、新しい情報アクセスの形を模索していく必要があるのです。
重要なのは、どのツールを使うかではありません。
いかに賢く使うかです。AIであれ検索エンジンであれ、それらは道具に過ぎません。
最終的に情報を評価し、判断を下すのは私たち自身なのですから。