Linux環境での開発がこれまで以上に簡単かつ効率的になります。
Rustは、そのメモリ安全性と並行処理の強力なサポートで知られるプログラミング言語です。
しかし、新しい言語を始める際の最初の障壁は、しばしばそのインストールプロセスにあります。
この記事では、Linuxユーザーが直面するその障壁を取り除きます。
たった一つのコマンドで、Rustのインストールを完了させる方法をご紹介します。
煩雑な手順や複雑な設定を必要とせず、シンプルかつ迅速にRustの世界へと足を踏み入れることができます。
Rustとは?
Rustは、パフォーマンス、安全性、並行性を重視したモダンなプログラミング言語です。
CやC++と比較して、Rustは以下のような特徴とメリットを持っています。
メモリ安全性
Rustの最大の特徴の一つは、メモリ安全性をコンパイル時に保証することです。
Rustは、以下の独自の概念をメモリ管理に導入しています。
- 所有権(ownership)
- 借用(borrowing)
- 生存期間(lifetimes)
この概念により、メモリリークやダングリングポインタなどの一般的なメモリエラーを防ぎます。
それに対して、CやC++では、メモリ管理はプログラマーの責任です。
これにより、メモリリークや無効なメモリアクセスなどのリスクが高まります。
並行性
Rustは、並行プログラミングにおける一般的な問題をコンパイル時に検出する設計になっています。
このような安全性の保証は、多くの並行処理のバグを事前に防ぐことができます。
CやC++では、多くの複雑な問題を自身で扱う必要があります。
そのため、バグが発生しやすくなり、デバッグが難しくなることがあります。
パフォーマンス
RustはCやC++と同等の高いパフォーマンスを提供します。
コンパイル時に最適化されるため、パフォーマンスが重要なアプリケーションに適しています。
Rustの簡単インストール
Linuxにおいては、Rustを簡単にインストールできます。
次のコマンドを実行するだけです。
curl --proto '=https' --tlsv1.2 -sSf https://sh.rustup.rs | sh
途中で次のように聞かれます。
1) Proceed with installation (default) 2) Customize installation 3) Cancel installation
そのまま「Enter」でOK。
このように表示されれば、Rustのインストールは完了です。
ただし、Pathの設定が必要となります。
と言っても、そのPathの設定方法も教えてくれています。
以下のコマンドを実行するだけになります。
source "$HOME/.cargo/env"
ここまで完了できれば、次のバージョン確認コマンドが実行できるはずです。
$ rustc --version rustc 1.75.0 (82e1608df 2023-12-21)
最初のRustプログラム
「Hello, World!」をRustでも試しましょう。
まずは、プログラムの作成からです。
main.rs
fn main() { println!("Hello, world!"); }
上記のファイルを作成して、コンパイルします。
rustc main.rs
何も表示されなければ、コンパイル成功と言えます。
そして、成功していれば「main」ファイルが同じディレクトリ上に作成されています。
$ ./main Hello, world!
実行したら、「Hello, World!」が表示されます。
これでRustプログラミングの世界に入ることができました。