「Ubuntu 22.04 LTSに最新版のPHPをインストールしたい」
「ビルドせずにaptコマンドだけで最新版PHPをインストールしたい」
このような場合には、この記事の内容が参考となります。
この記事では、Ubuntu 22.04 LTSへ最新版PHPをインストールする方法を解説しています。
本記事の内容
- Ubuntu 22.04におけるOS標準のPHP
- Ubuntu 22.04 への最新PHPのインストール
それでは、上記に沿って解説していきます。
Ubuntu 22.04におけるOS標準のPHP
Ubuntu 22.04 LTSが、2022年4月21日にリリースされました。
今後は、Ubuntuのメインバージョンとなっていくでしょう。
Ubuntu 22.04については、次の記事で説明しています。
このUbuntu 22.04にPHPをインストールする際に、少し注意が必要となります。
注意とは、デフォルトで用意されているPHPのバージョンに関してです。
PHP 8 ChangeLog
https://www.php.net/ChangeLog-8.php#8.1.5
現時点におけるPHPの最新バージョンは、上記で確認できます。
では、2022年4月21日にリリースされたUbuntu 22.04ではどうなのでしょうか?
$ sudo apt show php Package: php Version: 2:8.1+92ubuntu1 Priority: optional Section: php Source: php-defaults (92ubuntu1) Origin: Ubuntu Maintainer: Ubuntu Developers <ubuntu-devel-discuss@lists.ubuntu.com> Original-Maintainer: Debian PHP Maintainers <team+pkg-php@tracker.debian.org> Bugs: https://bugs.launchpad.net/ubuntu/+filebug Installed-Size: 14.3 kB Depends: php8.1 Download-Size: 2,756 B APT-Sources: http://archive.ubuntu.com/ubuntu jammy/main amd64 Packages Description: server-side, HTML-embedded scripting language (default) PHP (recursive acronym for PHP: Hypertext Preprocessor) is a widely-used open source general-purpose scripting language that is especially suited for web development and can be embedded into HTML. . This package is a dependency package, which depends on latest stable PHP version (currently 8.1).
パッケージの内容を見るだけでは、バージョンの詳細はよくわかりません。
実際にインストールしてみます。
$ sudo apt install -y php
インストール後にバージョンを確認。
$ php -v PHP 8.1.2 (cli) (built: Apr 7 2022 17:46:26) (NTS) Copyright (c) The PHP Group Zend Engine v4.1.2, Copyright (c) Zend Technologies with Zend OPcache v8.1.2, Copyright (c), by Zend Technologies
Ubuntu 22.04では、PHP 8.1.2がインストールされることが確認できました。
このように、通常のままではaptで最新のPHPをインストールできません。
それには理由があります。
Ubuntuには、バージョン毎にOS標準となるPHPが用意されています。
OS | PHP |
Ubuntu 14.04 | 5.5 |
Ubuntu 16.04 | 7.0 |
Ubuntu 18.04 | 7.2 |
Ubuntu 20.04 | 7.4 |
Ubuntu 22.04 | 8.1 |
このことより、Ubuntu 22.04ではPHP 8.1がインストールされるのです。
以上、Ubuntu 22.04におけるOS標準のPHPについて説明しました。
次は、Ubuntu 22.04への最新PHPのインストールを説明します。
Ubuntu 22.04 への最新PHPのインストール
現時点(2022年4月末)なら、それほど差異はありません。
OS標準 | 8.1.2 |
最新 | 8.1.5 |
しかし、時の経過とともにその差異は広がる一方です。
PHP 8.2(開発中)が出たら、機能的にも問題になる可能性があります。
では、どうすればよいのでしょうか?
その解決方法を次の記事で解説しています。
方法を簡単に言うと、Ubuntu公式以外のリポジトリを利用します。
PPAと呼ばれるモノです。
そして、最新のPHPをインストールするには次のコマンドでリポジトリを登録します。
「ondrej/php」は、歴史も長く信用できるPPAと言えます。
$ sudo add-apt-repository ppa:ondrej/php
上記コマンドを実行して、PPAを登録します。
その後、パッケージを確認します。
$ sudo apt show php Package: php Version: 2:8.1+92+ubuntu22.04.1+deb.sury.org+1 Priority: optional Section: php Source: php-defaults (92+ubuntu22.04.1+deb.sury.org+1) Maintainer: Debian PHP Maintainers <team+pkg-php@tracker.debian.org> Installed-Size: 14.3 kB Depends: php8.1 Download-Size: 7,158 B APT-Sources: https://ppa.launchpadcontent.net/ondrej/php/ubuntu jammy/main amd64 Packages Description: サーバーサイド・HTML埋め込みスクリプト言語 (デフォルト) PHP (PHP: Hypertext Preprocessor の再帰的頭字語) は広く使われている オープンソースな汎用スクリプト言語で、特にウェブ開発に適しており、 HTML に組み込むことができます。 . This package is a dependency package, which depends on latest stable PHP version (currently 8.1).
先ほどとは、パッケージの内容が異なります。
この時点で最新バージョンのPHPが、パッケージの中身になっています。
これをインストールします。
$ sudo apt-get update $ sudo apt-get install -y php
インストールが完了したら、バージョンを確認。
$ php -v PHP 8.1.5 (cli) (built: Apr 21 2022 10:32:13) (NTS) Copyright (c) The PHP Group Zend Engine v4.1.5, Copyright (c) Zend Technologies with Zend OPcache v8.1.5, Copyright (c), by Zend Technologies
最新バージョンのPHPが、インストールされていますね。
なお、この時点でApacheも同時にインストールされています。
これは、公式であろうとPPAであろうと違いはありません。
おまけに、Apacheがすでに起動状態です。
$ sudo systemctl status apache2 ● apache2.service - The Apache HTTP Server Loaded: loaded (/lib/systemd/system/apache2.service; enabled; vendor preset: enabled) Active: active (running) since Sat 2022-04-23 16:42:05 JST; 2 days ago ~
ちなみに、Apacheのバージョンは、
OS標準のApacheが、インストールされることになります。
$ apache2ctl -v Server version: Apache/2.4.52 (Ubuntu) Server built: 2022-03-25T00:35:40
それが嫌なら、Apacheも個別にインストールする必要があります。
最新のApacheをインストールする方法は、次の記事で解説しています。
以上、Ubuntu 22.04への最新PHPのインストールを説明しました。