Pythonで複雑な計算を行う場合、SymPyの利用を考えましょう。
自分でゴリゴリとコーディングするのは、ある意味楽しいです。
でも、それは時間の無駄になる可能性があります。
車輪の再発明は、できる限りで避けましょう。
そのためにも、SymPyの利用をおススメします。
本記事の内容
- SymPyとは?
- SymPyのシステム要件
- SymPyのインストール
- SymPyの動作確認
それでは、上記に沿って解説していきます。
SymPyとは?
SymPyとは、代数計算のためのPythonライブラリです。
そして、SymPyの特徴は以下。
- 任意精度の整数、有理数、浮動小数点への対応
- 指数関数・対数関数・三角関数など
- 複素数
- テイラー展開の計算・ローラン級数
- 微分積分
計算であれば一通りのことが、できるということですね。
SymPyを利用すれば、ゴリゴリと自分で計算式をコーディングする必要もありません。
以上、SymPyについての説明でした。
次は、SymPyのシステム要件を確認します。
SymPyのシステム要件
現時点(2021年7月)でのSymPyの最新バージョンは、1.8となります。
この最新バージョンは、2021年4月10日にリリースされています。
サポートOSに関しては、以下を含むクロスプラットフォーム対応です。
- Windows
- macOS
- Linux
また、サポート対象となるPythonは以下のバージョンです。
- Python 3.6
- Python 3.7
- Python 3.8
Python 3.9は、単純に検証していないだけでしょう。
もしくは、setup.pyファイルの更新漏れかもしれません。
いづれにせよ、Python 3.9が動かない理由がありません。
過去に、数多くのPythonライブラリをインストールしてきました。
その経験より、「Python 3.8がOK」で「Python 3.9がNG」というのは見たことがありません。
実際、私は次のバージョンで検証しています。
>python -V Python 3.9.6
現時点(2021年7月末)では、最新版となるPythonです。
Pythonのアップグレードを行う場合は、次の記事が参考となります。
以上、SymPyのシステム要件を説明しました。
次は、SymPyをインストールしていきます。
SymPyのインストール
まずは、現状のインストール済みパッケージを確認しておきます。
>pip list Package Version ---------- ------- pip 21.2.1 setuptools 57.4.0
次にするべきことは、pipとsetuptoolsの更新です。
pipコマンドを使う場合、常に以下のコマンドを実行しておきましょう。
python -m pip install --upgrade pip setuptools
では、SymPyのインストールです。
SymPyのインストールは、以下のコマンドとなります。
pip install sympy
インストールは、すぐに終わります。
では、どんなパッケージがインストールされたのかを確認しましょう。
>pip list Package Version ---------- ------- mpmath 1.2.1 pip 21.2.1 setuptools 57.4.0 sympy 1.8
依存パッケージが、1つありました。
任意精度計算は、mpmathに依存しているということですね。
それ以外に依存パッケージはありません。
その点では、既存の環境にSymPyを容易に導入できそうです。
以上、SymPyのインストールに関する説明でした。
最後に、SymPyの動作確認を行います。
SymPyの動作確認
SymPyの動作確認を行います。
この整式を因数分解します。
そのコードは、以下。
import sympy # 変数宣言(x,yが利用できるように) x, y = sympy.symbols('x,y') # 整式を設定(べき乗:**) f = x ** 2 - y ** 2 # 整式fを因数分解 print(sympy.factor(f))
上記を実行すると、以下の結果となります。
(x - y)*(x + y)
確かに、因数分解できていますね。
以上、SymPyの動作確認を説明しました。