「商用レベルの3Dゲームを作りたい」
「Pythonで動く3Dゲームエンジンを探している」
このような場合には、Panda3Dがオススメです。
この記事では、Panda3Dについて解説しています。
本記事の内容
- Panda3Dとは?
- Panda3Dのシステム要件
- Panda3Dのインストール
- Panda3Dの動作確認
それでは、上記に沿って解説していきます。
Panda3Dとは?
Panda3Dは、3Dレンダリングおよびゲーム開発用フレームワークです。
以下の言語向けにライブラリが用意されています。
- Python
- C++
また、Panda3D自体はオープンソースとして公開されています。
オープンソースでありながらも、商用ゲームの開発に使用されています。
そもそも、Panda3Dは商用ゲーム開発のために作られています。
そのゲームとは、「Toontown Online」という多人数参加型オンラインゲームです。
このゲームのサービス提供は、2013年9月19日に終了しています。
ただ、「Toontown Rewritten」という名称などで継承されているようです。
そして、Panda3Dの開発はいまでも継続されています。
「Toontown Online」の開発元であったディズニーも開発に参加しているということです。
以上、Panda3Dについての説明でした。
次は、Panda3Dのシステム要件を確認します。
Panda3Dのシステム要件
現時点(2022年1月)でのPanda3Dの最新バージョンは、1.10.11となります。
この最新バージョンは、2022年1月7日にリリースされています。
サポートOSに関しては、以下を含むクロスプラットフォーム対応です。
- Windows
- macOS
- Linux
サポート対象となるPythonのバージョンは、以下となっています。
- Python 2.7
- Python 3.4
- Python 3.5
- Python 3.6
- Python 3.7
- Python 3.8
- Python 3.9
- Python 3.10
対応バージョンが増え過ぎて、カオスになりつつあります。
しかし、次のメインバージョンアップとなるPanda3D 1.11では整理されているようです。
Python 2系は切り捨てて、Python 3.6以降のみに対応するようです。
このことは、GitHub上のコードから確認できます。
それならば、Python 3.6も対象外にした方がいいと思います。
以下は、Python公式開発サイクルです。
バージョン | リリース日 | サポート期限 |
3.6 | 2016年12月23日 | 2021年12月23日 |
3.7 | 2018年6月27日 | 2023年6月27日 |
3.8 | 2019年10月14日 | 2024年10月 |
3.9 | 2020年10月5日 | 2025年10月 |
3.10 | 2021年10月4日 | 2026年10月 |
Python 3.6は、2021年末でサポートが切れました。
よって、Panda3DはPython 3.6をサポート対象に含める必要もありません。
このような事情もあるため、Python 3.7以降の利用が無難と言えます。
今なら、Python 3.10がオススメです。
ここで、Panda3Dのシステム要件をまとめましょう。
基本的には、OSは問いません。
そして、Pythonのバージョンは3.7以降を利用しましょう。
以上、Panda3Dのシステム要件を説明しました。
次は、Panda3Dをインストールしていきます。
Panda3Dのインストール
検証は、次のバージョンのPythonで行います。
$ python -V Python 3.10.1
まずは、現状のインストール済みパッケージを確認しておきます。
$ pip list Package Version ---------- ------- pip 21.3.1 setuptools 60.5.0 wheel 0.36.2
次にするべきことは、pipとsetuptoolsの更新です。
pipコマンドを使う場合、常に以下のコマンドを実行しておきましょう。
python -m pip install --upgrade pip setuptools
では、Panda3Dのインストールです。
Panda3Dのインストールは、以下のコマンドとなります。
pip install Panda3D
インストールは、すぐに終わります。
では、どんなパッケージがインストールされたのかを確認しましょう。
$ pip list Package Version ---------- ------- Panda3D 1.10.11 pip 21.3.1 setuptools 60.5.0 wheel 0.36.2
Panda3Dが依存するパッケージは、ありません。
その意味では、Panda3Dを既存環境に導入するのは容易と言えます。
依存関係でのトラブルは、ほぼないということです。
以上、Panda3Dのインストールを説明しました。
次は、Panda3Dの動作確認を行います。
Panda3Dの動作確認
Panda3Dの動作確認は、次のコードで行います。
from direct.showbase.ShowBase import ShowBase class MyApp(ShowBase): def __init__(self): ShowBase.__init__(self) app = MyApp() app.run()
上記を実行すると、次の画面が表示されます。
(OSによって、若干の違いあります)
この画面を確認できれば、Panda3Dは正常にインストールできています。
以上、Panda3Dの動作確認の説明でした。