Python開発のパッケージ管理ツールに大きな変化が起きています。
長年にわたって、pipが標準的な選択肢でした。
しかし今、新しいツール「uv」が急速に支持を集めているのです。
最近の興味深いデータがあります。
Wagtail、Django、FastAPIといった主要なPythonフレームワークのCI環境で、uvの採用率が驚くべき速度で伸びています。
特にCI環境でのダウンロード数を見てください。
Wagtailでは66%です。FastAPIでは60%。Djangoでも43%がuvを使っています。
この記事では、Redditでの活発な議論を参考にします。
そして、なぜこれほど多くの開発者がuvに移行しているのかを探ります。
CI環境での採用状況
全体のダウンロード数で見ると、状況は少し違います。
uvの採用率はWagtailで28%、FastAPIで31%、Djangoで21%という水準です。
一見すると控えめな数字に見えるかもしれません。
しかし重要なのは、CI環境での採用率なのです。
継続的インテグレーション環境では、パッケージのインストール速度が開発効率に直結します。
だからこそ、開発者たちはより高速なツールを積極的に採用しているのです。
現在のトレンドが続けば、どうなるでしょうか。
12~14ヶ月後には、これらのプロジェクトで最も使われるインストーラーになる見込みです。
移行をためらう必要はない
Redditのコミュニティでは、実際にuvを導入した開発者たちの声が集まっていました。
その多くが「もっと早く移行すればよかった」と述べています。
ある開発者は次のように語っています。
pyenv、virtualenv、pipという従来の組み合わせに固執していた時期があった、と。
しかし実際に移行してみると、その速さと使いやすさに驚いたというのです。
移行にかかる時間は1時間程度。
その後は、より速く、より簡単に作業ができます。
モダンなIDEやツールと統合された環境で開発を進められるのです。
モダンな開発環境との統合
開発ツールとの統合も重要なポイントです。
PyCharmがuv環境のサポートを開始したとき、喜びの声が上がったという報告がありました。
主要なIDEやエディタがuvをサポートし始めています。
これにより、開発者は特別な設定なしにuvの恩恵を受けられるようになってきました。
従来のツールとの互換性も保たれています。
そのため、既存のプロジェクトでも段階的な移行が可能です。
他のツールとの比較
poetryを使っている開発者からは、「poetryと比べてどうなのか」という質問も出ていました。
poetryは確かに優れたパッケージマネージャーです。
本番環境では安定性を重視してpoetryを選ぶという意見もありました。
uvはまだ活発に開発が続いています。
そのため、頻繁なアップデートによる影響を懸念する声も理解できるでしょう。
condaとの比較も議論されていました。
condaは独自の問題領域を解決するツールです。
しかし速度面では優位性が低い。
CI/CD環境のような使い捨て環境では、uvの方が適していると指摘されています。
圧倒的な速度
コミュニティでの評価を見ると、強い支持が見られます。
「比較にならない」「文字通りすべてが優れている」といった声です。
この評価の背景にあるのが、uvの圧倒的な速度です。
Rustで実装されているため、従来のPythonベースのツールと比べて桁違いの高速化を実現しています。
大規模なプロジェクトでは、依存関係の解決とインストールに数分かかることも珍しくありません。
uvを使うことで、この時間を大幅に短縮できます。
導入の障壁
完璧なツールではないという指摘もありました。
例えば、snykとの統合がまだ対応していないという報告があります。
また、組織全体で統一されたプロジェクトレイアウトを使っている場合、uvが生成するプロジェクト構造のカスタマイズ性について疑問を持つ声もありました。
ただし、これらは今後改善される可能性が高い点です。
uvの開発チームは活発にフィードバックに対応しています。
Python開発の新しい標準へ
データとコミュニティの反応を見る限り、uvがPython開発の新しい標準になる可能性は高いでしょう。
もちろん、すべての開発者がすぐに移行する必要はありません。
既存のツールで問題なく作業できているなら、急ぐ理由はないのです。
しかし、新しいプロジェクトを始める際はどうでしょうか。
あるいは、CI/CDパイプラインの改善を考えているなら、uvを試してみる価値は十分にあります。
移行の手間は小さく、得られる恩恵は大きいからです。
まとめ
Python開発のパッケージ管理ツールとして、uvが急速に普及しています。
特にCI環境での採用率の高さは注目に値するでしょう。
速度、使いやすさ、モダンなツールとの統合という点で、uvは従来のツールを大きく上回っています。
実際に移行した開発者たちの満足度も非常に高いようです。
今後12~14ヶ月で、主要なPythonプロジェクトで最も使われるインストーラーになる可能性があります。
Python開発の新しい標準が生まれつつあるのかもしれません。
この変化を早めに取り入れることで、より効率的な開発環境を手に入れられるはずです。
まずは小さなプロジェクトで試してみてはいかがでしょうか。