プログラマーにとって、最新のコンパイラツールはプロジェクトの効率化と最適化に不可欠な要素です。
特に、LLVMはその強力な最適化機能、広範な言語サポート、
そして柔軟なアーキテクチャにより、多くの開発環境で重宝されています。
しかし、多様なプラットフォームをサポートするLLVMの最新バージョンをUbuntuにインストールするプロセスは、初心者にとっては少々複雑に感じられるかもしれません。
この記事では、Ubuntu上でLLVMの最新バージョンを簡単にインストールする手順を、
初心者でも実行できる形で紹介します。
LLVMとは?
LLVMは、コンパイラやツールチェーン技術のコレクションです。
中間表現(IR)を使用して、様々なプログラム解析や最適化を行うことができます。
その名前は、もともと「Low Level Virtual Machine」の略でした。
現在では、LLVMはプロジェクトの名称として一般に認識されています。
この説明でも、LLVMが何者かはわかりません。
LLVMをわかりやすく言うなら、コンパイラのバックエンド(エンジン)のようなモノです。
例えば、C言語にはGCCというコンパイラが存在しています。
同じようにC言語のコンパイラとして、Clangがあることを知っていますか?
このClangは、LLVMをベースに動きます。
ちなみに、Clangはこれだけで以下をコンパイル可能です。
- C
- C++
- Objective-C
LLVMは、他にもRustやSwiftなどの言語をコンパイルする際のバックエンドでもあります。
いろんなところで活躍しているということです。
これでLLVMに対するイメージは掴めると思います。
LLVMのインストール
LLVMの公式ページは、以下。
現時点におけるLLVMの最新バージョンは、以下のバージョンになります。
この記事では、Ubuntuへのインストールを紹介します。
参考になるのは、次のページです。
Ubuntu 22.04の場合は、以下のコマンドになります。
$ wget -O - https://apt.llvm.org/llvm-snapshot.gpg.key | sudo apt-key add - $ sudo apt-add-repository "deb http://apt.llvm.org/jammy/ llvm-toolchain-jammy-17 main" $ sudo apt update $ sudo apt-get install libllvm-17-ocaml-dev libllvm17 llvm-17 llvm-17-dev llvm-17-doc llvm-17-examples llvm-17-runtime
これらを実行すれば、最新のLLVMがインストールされます。
インストールの確認は、次のコマンドで可能です。
$ llvm-config-17 --version 17.0.6
最新版のLLVMであることが確認できます。