「簡単に画像の解像度や品質を向上させたい」
「アップスケーラーの処理時間が長い・・・」
このような場合には、この記事の内容が参考になります。
この記事では、Loopback Scalerを用いて画像の品質をUPする方法を解説しています。
本記事の内容
- Loopback Scalerとは?
- Loopback Scalerのインストール
- Loopback Scalerの動作確認
それでは、上記に沿って解説していきます。
Loopback Scalerとは?
Loopback Scalerとは、簡単に画質を向上させることができるAUTOMATIC1111版web UIのエクステンションです。
アップスケーラーに似ていると言えば、似ています。
しかし、アップスケーラーとは方向性が異なります。
その方向性を、生成される画像を用いて説明します。
例えば、次のような質の低い画像が生成されたとします。
![](https://self-development.info/wp-content/uploads/2023/04/00030-3984440609.jpg)
このような場合にアップスケーラーを使うと、画質はサイズとともに一気にUPします。
![](https://self-development.info/wp-content/uploads/2023/04/image-132.png)
同じサイズ(512 x 512)に縮小すると、画質の向上した様子がよくわかります。
![](https://self-development.info/wp-content/uploads/2023/04/11111.jpg)
これに対して、Loopback Scalerを使うと次のような画像が生成されます。
![](https://self-development.info/wp-content/uploads/2023/04/22222.jpg)
比較してみて、どう感じますか?
個人的には、Loopback Scalerの結果の方が良い画像だと感じます。
また、処理にかかる時間についても触れておきます。
(※環境ごとに結果が異なることに注意)
4倍にアップスケーリングするのに、以下の時間を要しています。
![](https://self-development.info/wp-content/uploads/2023/04/image-133.png)
対して、Loopback Scalerでは次の時間となります。
![](https://self-development.info/wp-content/uploads/2023/04/image-134.png)
1分近くは、Loopback Scalerの方が速いのです。
つまり、Loopback Scalerの方が処理も速く、画質・解像度もベターと言えます。
ただし、Loopback Scalerにも弱点はあります。
アップスケーラーは、なるべく同じ見た目を維持しようします。
しかし、Loopback Scalerの場合は見た目が結構変わります。
その意味では、アップスケーラーとLoopback Scalerを使い分ければいいのかもしれません。
でも、Loopback Scalerで大きく見た目が変化しない場合もあります。
![](https://self-development.info/wp-content/uploads/2023/04/all.jpg)
左から、オリジナル・アップスケーラー・Loopback Scalerの画像となります。
このケースでは、単純にLoopback Scalerで画質と解像度がUPしているだけに見えます。
以上、Loopback Scalerについて説明しました。
次は、Loopback Scalerのインストールを説明します。
Loopback Scalerのインストール
Loopback Scalerのインストールを説明します。
その前提として、AUTOMATIC1111版web UIのインストールは必須です。
まず、「Extensions」タブをクリック。
![](https://self-development.info/wp-content/uploads/2023/04/image-101-2-1.png)
そして、「Extensions」内の「Install from URL」タブを開きます。
![](https://self-development.info/wp-content/uploads/2023/04/image-102-2-1.png)
「URL for extension’s git repository」に次のURLを入力します。
https://github.com/Elldreth/loopback_scaler.git
入力できたら、「Install」ボタンをクリック。
処理が完了したら、「Extensions」内の「Installed」タブをクリック。
![](https://self-development.info/wp-content/uploads/2023/04/image-135.png)
Loopback Scalerがインストールされていることを確認できます。
確認できたら、「Apply and restart UI」ボタンをクリックしておきます。
以上、Loopback Scalerのインストールを説明しました。
次は、Loopback Scalerの動作確認を説明します。
Loopback Scalerの動作確認
Loopback Scalerの動作確認を行います。
まず、「txt2img」で画像を生成します。
![](https://self-development.info/wp-content/uploads/2023/04/image-136.png)
そのとき、画像サイズには注意が必要です。
以下のような低解像度で生成する必要があります。
- 340 x 512
- 512 x 512
- 512 x 768
次の画像を参考にして、画像を生成しましょう。
https://civitai.com/images/472365
LoRAを無視したら、次のような画像が生成できます。
もちろん、512 x 768のサイズです。
![](https://self-development.info/wp-content/uploads/2023/04/image-137.png)
この状態において、「Send to img2img」ボタンをクリック。
そうすると、画像やプロンプトなどがそのまま「img2img」に送られます。
Loopback Scalerは、「img2img」のみで機能します。
「Script」から、「Loopback Scaler」を選択しましょう。
![](https://self-development.info/wp-content/uploads/2023/04/image-138.png)
そうすると、次のような画面が表示されます。
![](https://self-development.info/wp-content/uploads/2023/04/image-139.png)
基本的には、ここでは以下の値を触るだけです。
- Maximum Image Width
- Maximum Image Height
アスペクト比率を維持した値を設定する方が無難でしょう。
無視した値も設定可能ですが、生成される画像が崩れた感じになります。
今回のケースだと、次のサイズ設定が候補になるはずです。
もちろん、大きい方が画像の質はUPします。
- 512 x 768
- 1024 x 1536
- 1280 x 1920
どのサイズにするのかは、利用しているGPUと相談してください。
1280 x 1280は、8GBではセーフということらしいです。
今回は、次のように設定します。
![](https://self-development.info/wp-content/uploads/2023/04/image-140.png)
あと、一つ重要な設定があります。
一旦、「img2img」本体の設定に戻ります。
![](https://self-development.info/wp-content/uploads/2023/04/image-141.png)
「Denoising strength」を「0.4」に変更します。
これは、「img2img」のみにある設定値です。
「ノイズ除去強度」という日本語に訳されます。
これで準備が整いました。
「Generate」ボタンをクリックします。
今回は、27秒程度で処理が終わりました。
![](https://self-development.info/wp-content/uploads/2023/04/image-142.png)
アップスケーラーで2.5倍だと、36秒ですね。
![](https://self-development.info/wp-content/uploads/2023/04/image-143.png)
アップスケーラー(左)とLoopback Scaler(右)の画像を比較してみましょう。
![](https://self-development.info/wp-content/uploads/2023/04/00048-3357359947.jpg)
やはり、Loopback Scalerの方が高画質ですね。
もっと高画質な画像を作成したい場合があるかもしれません。
そのような場合は、「Loops」の値を増やしてみましょう。
最大で32まで設定することが可能です。
![](https://self-development.info/wp-content/uploads/2023/04/image-144.png)
もちろん、その分だけ処理に時間はかかります。
![](https://self-development.info/wp-content/uploads/2023/04/image-145.png)
「32」で生成した画像は、以下のようになモノとなります。
![](https://self-development.info/wp-content/uploads/2023/04/img2img-0030-3357359947.jpg)
迫力が、一気に増しました。
「Loopback Scalerとは?」で挙げた画像でも、「32」の設定値で生成してみましょう。
![](https://self-development.info/wp-content/uploads/2023/04/img2img-0007-3984440609.jpg)
左の画像なんて、夜から昼になってますからね。
右の画像は、キャラがかなり変わっています。
それにしても、かなり画質が向上しているとわかります。
以上、Loopback Scalerの動作確認を説明しました。