「Ubuntu 22.04 LTSに最新版のApacheをインストールしたい」
「ビルドせずにaptコマンドだけで最新版Apacheをインストールしたい」
このような場合には、この記事の内容が参考となります。
この記事では、Ubuntu 22.04 LTSへ最新版Apacheをインストールする方法を解説しています。
本記事の内容
- Ubuntu 22.04におけるOS標準のApache
- Ubuntu 22.04への最新Apacheのインストール
- Ubuntu 22.04におけるApacheの動作確認
それでは、上記に沿って解説していきます。
Ubuntu 22.04におけるOS標準のApache
Ubuntu 22.04 LTSが、2022年4月21日にリリースされました。
今後は、Ubuntuのメインバージョンとなっていくでしょう。
Ubuntu 22.04については、次の記事で説明しています。
このUbuntu 22.04には、公式のリポジトリが存在しています。
aptコマンドで簡単にインストールできるのは、その公式リポジトリがあるからです。
もちろん、Apacheはその公式リポジトリに登録されています。
だからこそ、特に何も考えずにApacheをインストールできます。
このOS標準のソフトウェアは、非常に便利です。
初心者に優しい仕組みと言えます。
しかし、公式リポジトリ(OS標準)には一つ致命的な問題があります。
それは、以下の対応表をご覧ください。
OS | Apache | リリース日 |
Ubuntu 18.04 LTS | 2.4.29 | 2017/10/23 |
Ubuntu 20.04 LTS | 2.4.41 | 2019/08/14 |
Ubuntu 22.04 LTS | 2.4.52 | 2021/12/20 |
Ubuntuのバージョン毎に、Apacheのバージョンが固定化されているのです。
大体半年ほど前にリリースされたバージョンのApacheが採用されています。
現時点(2022年4月末)では、この差異はそれほど問題にはなりません。
ただ、時間の経過とともに、OS標準のApacheのバージョンは古くなっていきます。
そうすると、セキュリティ的に無視できないことになってしまいます。
そこで、最新のApacheをインストールすることを考えます。
なお、Ubuntu 22.04におけるOS標準のApacheは次のコマンドで確認できます。
$ sudo apt show apache2 Package: apache2 Version: 2.4.52-1ubuntu4 Priority: optional Section: web Origin: Ubuntu Maintainer: Ubuntu Developers <ubuntu-devel-discuss@lists.ubuntu.com> Original-Maintainer: Debian Apache Maintainers <debian-apache@lists.debian.org> Bugs: https://bugs.launchpad.net/ubuntu/+filebug Installed-Size: 545 kB Provides: httpd, httpd-cgi Pre-Depends: init-system-helpers (>= 1.54~) Depends: apache2-bin (= 2.4.52-1ubuntu4), apache2-data (= 2.4.52-1ubuntu4), apache2-utils (= 2.4.52-1ubuntu4), lsb-base, mime-support, perl:any, procps Recommends: ssl-cert Suggests: apache2-doc, apache2-suexec-pristine | apache2-suexec-custom, www-browser, ufw Conflicts: apache2.2-bin, apache2.2-common Replaces: apache2.2-bin, apache2.2-common Homepage: https://httpd.apache.org/ Task: lamp-server Download-Size: 97.8 kB APT-Sources: http://archive.ubuntu.com/ubuntu jammy/main amd64 Packages Description: Apache HTTP Server The Apache HTTP Server Project's goal is to build a secure, efficient and extensible HTTP server as standards-compliant open source software. The result has long been the number one web server on the Internet. . Installing this package results in a full installation, including the configuration files, init scripts and support scripts.
以上、Ubuntu 22.04におけるOS標準のApacheについての説明でした。
次は、Ubuntu 22.04への最新Apacheのインストールを説明します。
Ubuntu 22.04への最新Apacheのインストール
最新版のインストールに関しては、最悪ソースをビルドすればいいだけです。
ただ、ソースをビルドしてインストールする方法はおススメしません。
各種依存ライブラリの整合性を保つことに苦労します。
そのような苦労をしないために、aptなどのパッケージ管理システムが採用されています。
ここでは、aptコマンドで最新版Apacheをインストールする方法を説明します。
最初に、現時点での最新版のApacheを確認します。
2022年3月14日にリリースされたApache 2.4.53が、最新バージョンとなります。
このバージョンのApacheをPPAを利用してインストールします。
OS標準が公式であれば、PPAは非公式と言えます。
非公式と言えども、信用できるリポジトリはたくさん存在します。
今回は、歴史のあるPPAを用いてインストールを行います。
まずは、そのPPAをリポジトリに追加することから始めます。
$ sudo add-apt-repository ppa:ondrej/apache2
「Enter」を押して、処理を進めましょう。
処理が完了したら、再度Apacheのパッケージ情報を確認します。
$ sudo apt show apache2 Package: apache2 Version: 2.4.53-3+ubuntu22.04.1+deb.sury.org+1 Priority: optional Section: httpd Maintainer: Debian Apache Maintainers <debian-apache@lists.debian.org> Installed-Size: 523 kB Provides: httpd, httpd-cgi Depends: apache2-bin (= 2.4.53-3+ubuntu22.04.1+deb.sury.org+1), apache2-data (= 2.4.53-3+ubuntu22.04.1+deb.sury.org+1), apache2-utils (= 2.4.53-3+ubuntu22.04.1+deb.sury.org+1), lsb-base, mime-support, perl:any, procps Recommends: ssl-cert Suggests: apache2-doc, apache2-suexec-pristine | apache2-suexec-custom, www-browser Download-Size: 165 kB APT-Sources: https://ppa.launchpadcontent.net/ondrej/apache2/ubuntu jammy/main amd64 Packages Description: Apache HTTP サーバ Apache HTTP Server Project は、標準準拠のオープンソースソフトウェアとして、 安全で、効率的で、拡張性のある HTTP サーバを構築することを目的としています。 その成果は、インターネットで長い間ナンバーワンの web サーバとなっています。 . このパッケージをインストールすれば、設定ファイル、init スクリプト、 補助スクリプトを含むすべてをインストールできます。
バージョンが変わっているのを確認できます。
あとは、いつも通りにaptコマンドでインストールするだけです。
$ sudo apt-get update $ sudo apt-get install -y apache2
上記を実行すると、Apacheのインストールが始まります。
インストール処理には、それほど時間はかかりません。
以上、Ubuntu 22.04への最新Apacheのインストールを説明しました。
最後は、Ubuntu 22.04におけるApacheの動作確認を行います。
Ubuntu 22.04におけるApacheの動作確認
もっとも簡単な確認は、次のコマンドで行うことができます。
$ sudo systemctl status apache2 ● apache2.service - The Apache HTTP Server Loaded: loaded (/lib/systemd/system/apache2.service; enabled; vendor preset: enabled) Active: active (running) since Sat 2022-04-30 14:21:40 JST; 2min 39s ago Docs: https://httpd.apache.org/docs/2.4/ Main PID: 13850 (apache2) Tasks: 55 (limit: 1119) Memory: 4.9M CPU: 23ms CGroup: /system.slice/apache2.service ├─13850 /usr/sbin/apache2 -k start ├─13851 /usr/sbin/apache2 -k start └─13852 /usr/sbin/apache2 -k start 4月 30 14:21:40 ubuntu-jammy systemd[1]: Starting The Apache HTTP Server... 4月 30 14:21:40 ubuntu-jammy apachectl[13849]: AH00558: apache2: Could not reliably determine the server's fully quali> 4月 30 14:21:40 ubuntu-jammy systemd[1]: Started The Apache HTTP Server.
「Active: active (running)」と表示されています。
Apacheが起動していることを確認できます。
次は、インストールされたApacheのバージョンを確認しましょう。
$ apache2ctl -v Server version: Apache/2.4.53 (Ubuntu) Server built: 2022-04-28T11:50:47
以上、Ubuntu 22.04におけるApacheの動作確認を説明しました。