「UbuntuでNginxをWebサーバーをとして利用したい」
「Ubuntu 22.04に最新版のNginxをインストールしたい」
このような場合には、この記事の内容が参考となります。
この記事では、Ubuntu 22.04 LTSに最新版Nginxをインストールする方法を解説しています。
本記事の内容
- Ubuntu 22.04 LTSにおけるOS標準のNginx
- 最新版Nginxのリポジトリの追加
- 最新版Nginxの反映(パッケージ更新)
- 最新版Nginxのインストール
それでは、上記に沿って解説していきます。
Ubuntu 22.04 LTSにおけるOS標準のNginx
Ubuntuには、OS標準のソフトウェアが存在しています。
Nginxのような人気ソフトウェアであれば、ほぼ確実にOS標準が存在します。
Ubuntu 22.04 LTSのOS標準となるNginxは、以下。
$ sudo apt info nginx Package: nginx Version: 1.18.0-6ubuntu14.1 Priority: optional Section: web Origin: Ubuntu Maintainer: Ubuntu Developers <ubuntu-devel-discuss@lists.ubuntu.com> Original-Maintainer: Debian Nginx Maintainers <pkg-nginx-maintainers@alioth-lists.debian.net> Bugs: https://bugs.launchpad.net/ubuntu/+filebug Installed-Size: 50.2 kB Depends: nginx-core (<< 1.18.0-6ubuntu14.1.1~) | nginx-full (<< 1.18.0-6ubuntu14.1.1~) | nginx-light (<< 1.18.0-6ubuntu14.1.1~) | nginx-extras (<< 1.18.0-6ubuntu14.1.1~), nginx-core (>= 1.18.0-6ubuntu14.1) | nginx-full (>= 1.18.0-6ubuntu14.1) | nginx-light (>= 1.18.0-6ubuntu14.1) | nginx-extras (>= 1.18.0-6ubuntu14.1) Breaks: libnginx-mod-http-lua (<< 1.18.0-6ubuntu5) Homepage: https://nginx.net Download-Size: 3,884 B APT-Sources: http://archive.ubuntu.com/ubuntu jammy-updates/main amd64 Packages Description: 小さくて強力で拡張性のあるウェブ/プロキシサーバ Nginx ("engine X") は Igor Sysoev によって作成された高性能ウェブおよび リバースプロキシサーバです。スタンドアロンのウェブサーバとしても バックエンドの HTTP やメールサーバへの負荷を減らすためのプロキシとしても 使えます。 . This is a dependency package to install either nginx-core (by default), nginx-full, nginx-light or nginx-extras.
古い!!古過ぎる・・・
上記で確認できるNginx 1.18.0は、2020年4月21日にリリースされています。
Nginx 1.18.0は、現時点(2022年4月末)よりも約2年も前にリリースされていることになります。
2年前のWebサーバーをインストールしたいですか?
個人利用ならともかく、企業案件なら絶対にこれはダメですね。
個人利用でも、できる限りで最新版を利用すべきでしょう。
今の時代、セキュリティを意識せずにはいられません。
とにかく、Ubuntu 22.04 LTSにおけるOS標準のNginxが古いことを認識しましょう。
どれくらい古いかと言うと、Nginxの公式でLegacy扱いされるほどです。
以上、Ubuntu 22.04 LTSにおけるOS標準のNginxを説明しました。
次は、最新版Nginxのリポジトリの追加について説明します。
最新版Nginxのリポジトリの追加
Nginxは、リポジトリを用意してくれています。
Nginx公式のリポジトリを利用します。
そのリポジトリ情報は、以下。
deb https://nginx.org/packages/ubuntu/ jammy nginx deb-src https://nginx.org/packages/ubuntu/ jammy nginx
この情報を以下のファイルに保存します。
/etc/apt/sources.list.d/nginx.list
$ sudo nano /etc/apt/sources.list.d/nginx.list
保存できたら、確認。
$ cat /etc/apt/sources.list.d/nginx.list deb https://nginx.org/packages/ubuntu/ jammy nginx deb-src https://nginx.org/packages/ubuntu/ jammy nginx
以上、最新版Nginxのリポジトリの追加について説明しました。
次は、最新版Nginxの反映(パッケージ更新)について説明します。
最新版Nginxの反映(パッケージ更新)
最新版Nginxの反映と言っていますが、簡単に言うとaptで利用できるようにします。
そのためには、リポジトリに追加した情報をもとにパッケージの更新を行います。
$ sudo apt update
おそらく、次のようなGPGエラーが出ます。
~ エラー:5 https://nginx.org/packages/ubuntu jammy InRelease 公開鍵を利用できないため、以下の署名は検証できませんでした: NO_PUBKEY ABF5BD827BD9BF62 ヒット:6 http://archive.ubuntu.com/ubuntu jammy-backports InRelease パッケージリストを読み込んでいます... 完了 W: GPG エラー: https://nginx.org/packages/ubuntu jammy InRelease: 公開鍵を利用できないため、以下の署名は検証できませんでした: NO_PUBKEY ABF5BD827BD9BF62 E: リポジトリ https://nginx.org/packages/ubuntu jammy InRelease は署名されていません。 N: このようなリポジトリから更新を安全に行うことができないので、デフォルトでは更新が無効になっています。 N: リポジトリの作成とユーザ設定の詳細は、apt-secure(8) man ページを参照してください。
これは、リポジトリがapt的には怪しいと疑っているエラーになります。
そのため、追加したモノは安心できるリポジトリだとaptに教えます。
その作業は、次のコマンドで行います。
sudo apt-key adv --keyserver keyserver.ubuntu.com --recv-keys $key
「$key」には、エラーで出ている「ABF5BD827BD9BF62」を設定します。
これは、Nginxで統一されているモノです。
実際にコマンドを実行した結果は、以下。
$ sudo apt-key adv --keyserver keyserver.ubuntu.com --recv-keys ABF5BD827BD9BF62 Warning: apt-key is deprecated. Manage keyring files in trusted.gpg.d instead (see apt-key(8)). Executing: /tmp/apt-key-gpghome.ABGaRXfzFJ/gpg.1.sh --keyserver keyserver.ubuntu.com --recv-keys ABF5BD827BD9BF62 gpg: 鍵ABF5BD827BD9BF62: 公開鍵"nginx signing key <signing-key@nginx.com>"をインポートしました gpg: 処理数の合計: 1 gpg: インポート: 1
では、再度パッケージを更新しましょう。
$ sudo apt update ヒット:1 http://archive.ubuntu.com/ubuntu jammy InRelease ヒット:2 http://security.ubuntu.com/ubuntu jammy-security InRelease ヒット:3 http://archive.ubuntu.com/ubuntu jammy-updates InRelease ヒット:4 http://archive.ubuntu.com/ubuntu jammy-backports InRelease ヒット:5 https://ppa.launchpadcontent.net/ondrej/apache2/ubuntu jammy InRelease 取得:6 https://nginx.org/packages/ubuntu jammy InRelease [2,840 B] 取得:7 https://nginx.org/packages/ubuntu jammy/nginx Sources [1,999 B] 取得:8 https://nginx.org/packages/ubuntu jammy/nginx amd64 Packages [3,940 B] 5,939 B を 2秒 で取得しました (3,015 B/s) パッケージリストを読み込んでいます... 完了 依存関係ツリーを作成しています... 完了 状態情報を読み取っています... 完了 パッケージはすべて最新です。 W: https://nginx.org/packages/ubuntu/dists/jammy/InRelease: Key is stored in legacy trusted.gpg keyring (/etc/apt/trusted.gpg), see the DEPRECATION section in apt-key(8) for details.
警告が出ていますが、無事にパッケージの更新ができました。
この警告は、今回は無視しても問題ありません。
以上、最新版Nginxの反映(パッケージ更新)を説明しました。
次は、最新版Nginxのインストールについて説明します。
最新版Nginxのインストール
aptで再度Nginxのパッケージを確認しましょう。
$ sudo apt info nginx Package: nginx Version: 1.20.2-1~jammy Priority: optional Section: httpd Maintainer: NGINX Packaging <nginx-packaging@f5.com> Installed-Size: 3,222 kB Provides: httpd, nginx, nginx-r1.20.2 Depends: libc6 (>= 2.34), libcrypt1 (>= 1:4.1.0), libpcre3, libssl3 (>= 3.0.0~~alpha1), zlib1g (>= 1:1.1.4), lsb-base (>= 3.0-6), adduser Conflicts: nginx-common, nginx-core Replaces: nginx-common, nginx-core Homepage: https://nginx.org Download-Size: 991 kB APT-Sources: https://nginx.org/packages/ubuntu jammy/nginx amd64 Packages Description: high performance web server nginx [engine x] is an HTTP and reverse proxy server, as well as a mail proxy server.
バージョンが、1.18.0から1.20.2に変わっています。
Nginx 1.20.2は、2021年11月16日にリリース済みです。
Nginx 1.20.2は、安定版の最新バージョンとなります。
ここまで確認できれば、あとは簡単にNginx 1.20.2をインストールできます。
次のコマンドで最新版Ngnixのインストールを行います。
sudo apt install -y nginx
上記コマンドを実行。
以下のように表示されればNgnixのインストールは成功です。
~ ---------------------------------------------------------------------- nginx (1.20.2-1~jammy) を展開しています... nginx (1.20.2-1~jammy) を設定しています ... Created symlink /etc/systemd/system/multi-user.target.wants/nginx.service → /lib/systemd/system/nginx.service. man-db (2.10.2-1) のトリガを処理しています ... Scanning processes... Scanning linux images... Running kernel seems to be up-to-date. No services need to be restarted. No containers need to be restarted. No user sessions are running outdated binaries. No VM guests are running outdated hypervisor (qemu) binaries on this host. $
この時点では、インストールが完了しただけとなります。
$ sudo systemctl status nginx ○ nginx.service - nginx - high performance web server Loaded: loaded (/lib/systemd/system/nginx.service; enabled; vendor preset: enabled) Active: inactive (dead) Docs: https://nginx.org/en/docs/
Ngixnを起動させましょう。
Nginxは、次のコマンドで起動します。
$ sudo systemctl start nginx
起動状況の確認です。
$ sudo systemctl status nginx ● nginx.service - nginx - high performance web server Loaded: loaded (/lib/systemd/system/nginx.service; enabled; vendor preset: enabled) Active: active (running) since Sat 2022-04-30 17:21:57 JST; 16s ago Docs: https://nginx.org/en/docs/ Process: 2738 ExecStart=/usr/sbin/nginx -c /etc/nginx/nginx.conf (code=exited, status=0/SUCCESS) Main PID: 2739 (nginx) Tasks: 3 (limit: 1119) Memory: 2.5M CPU: 4ms CGroup: /system.slice/nginx.service ├─2739 "nginx: master process /usr/sbin/nginx -c /etc/nginx/nginx.conf" ├─2740 "nginx: worker process" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" └─2741 "nginx: worker process" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" "" 4月 30 17:21:57 ubuntu-jammy systemd[1]: Starting nginx - high performance web server... 4月 30 17:21:57 ubuntu-jammy systemd[1]: Started nginx - high performance web server.
上記のように表示されていれば、Nginxは正常に起動しています。