「YouTubeの動画をダウンロードしたい」
「youtube-dlによる動画のダウンロードが遅い・・・」
このような場合には、yt-dlpがオススメです。
この記事では、yt-dlpについて解説しています。
本記事の内容
- yt-dlpとは?
- yt-dlpのシステム要件
- yt-dlpのインストール
- yt-dlpの動作確認
それでは、上記に沿って解説していきます。
yt-dlpとは?
yt-dlpとは、youtube-dlのフォークです。
ソフトウェア開発において、フォークとは派生を意味します。
簡単に言うと、yt-dlpはyoutube-dlをベースに追加で開発されています。
そのyoutube-dlは、2021年6月6日以降は更新がありません。
yt-dlpは、このyoutube-dlに機能が追加されたり、改良されたりしています。
また、youtube-dlが更新されると、yt-dlpはその更新されたバージョンをフォークします。
毎回フォークしてからのメンテンナスは、その分だけ大変でしょうね。
でも、本家を常にベースにしているというのは安心できます。
このことより、yt-dlpは常にyoutube-dlの上位互換と言えます。
では、yt-dlpを利用するメリットとは何なのでしょうか?
機能的なことを並べても、あまり意味はありません。
使う人にとって無意味な機能なら、あってもなくても同じです。
yt-dlpの最大の特徴は、ダウンロードが速いことだと思います。
youtube-dlよりも、動画のダウンロードが速いのです。
これは、yt-dlpを利用する上で最大のメリットとも言えます。
どれくらい速いかと言うと、次のような結果が出ています。
対象とした動画は、以下。
https://www.youtube.com/watch?v=afrguHxe2zE
「best」なフォーマットをダウンロードした場合、79.89MiBのMP4ファイルになります。
以下の表では、このファイルをダウンロードするのにかかった時間を比較しています。
コマンド(ツール) | 時間 |
youtube-dl | 20m50.106s |
yt-dlp | 0m9.809s |
桁違いです。
yt-dlpは、125倍高速にファイルをダウンロードできます。
もちろん、毎回これだけの差が出るとは限りません。
これに関しては、技術的なモノではないように思います。
ここまで差が付くのは、別のところに原因がありそうです。
そもそも、youtube-dlではわざと低速になるように設定していると考えられます。
そして、yt-dlpではその制限を解除した可能性があります。
もしくは、デフォルトの設定値を変更していると思われます。
とにかく、yt-dlpの方が高速と言えます。
これは、実際に検証してみて確実に言えることです。
以上、yt-dlpについて説明しました。
次は、yt-dlpのシステム要件を説明します。
yt-dlpのシステム要件
現時点(2022年4月)でのyt-dlpの最新バージョンは、2022.03.08.1となります。
この最新バージョンは、2022年3月9日にリリースされています。
サポートOSに関しては、以下を含むクロスプラットフォーム対応です。
- Windows
- macOS
- Linux
基本的には、youtube-dlと変わりません。
なお、FFmpegを利用するなら、事前にインストールしておきましょう。
WindowsへのFFmpegのインストールは、次の記事で説明しています。
UbuntuへのFFmpegのインストールは、次の記事で説明しています。
FFmpegはインストールしておいた方が、何かと便利ではあります。
動画から音声のみを抽出する場合には、FFmpegが必要になります。
そうは言っても、FFmpegはオプションです。
「動画がダウンロードできれば、OK」であれば、FFmpegは不要とも言えます。
各自のやりたいことに応じて、FFmpegについては対応してください。
以上、yt-dlpのシステム要件を説明しました。
次は、yt-dlpのインストールを説明します。
yt-dlpのインストール
yt-dlpのインストール方法は、複数存在しています。
今回は、バイナリをダウンロードする方法を説明します。
この方法であれば、前提条件はほとんどありません。
まずは、次のページへアクセス。
yt-dlp(GitHub)
https://github.com/yt-dlp/yt-dlp
このページ上に、バイナリのダウンロードリンクが表示されています。
ここから、各OSにあったバイナリをダウンロードします。
基本的には、これだけです。
ただし、OS毎にそれ以降でやることが異なります。
Windowsへのインストールについては、次の記事で説明しています。
今回は、Ubuntuでのインストール方法を載せておきます。
公式の記載通りにすれば、OKです。
フルパスで使うのが嫌なら、パスを通す必要があるでしょう。
Linuxなら、実行権限の付与も必要となります。
sudo wget https://github.com/yt-dlp/yt-dlp/releases/latest/download/yt-dlp -O /usr/local/bin/yt-dlp sudo chmod a+rx /usr/local/bin/yt-dlp
ダウンロードして、そのファイルを「/usr/local/bin」の下に保存しています。
ここに配置すれば、パス設定は不要となります。
あとは、実行権限を付与しているだけです。
では、実行できるか確認しましょう。
$ yt-dlp --version 2022.03.08.1
上記のようにyt-dlpのバージョンが表示されれば、インストールは完了です。
以上、yt-dlpのインストールを説明しました。
次は、yt-dlpの動作確認を説明します。
yt-dlpの動作確認
yt-dlpは、次の2つの利用方法が可能です。
- コマンドラインツール
- Python API(モジュール)
今回は、コマンドラインツールで動作確認を行います。
その使い方は、基本的にはyoutube-dlと同じです。
同じようにオプションは、「-h」でヘルプを見てみてください。
かなり多くのオプションが、存在しています。
yt-dlp -f best https://www.youtube.com/watch?v=afrguHxe2zE
上記コマンドは、youtube-dlとの比較の際に利用したコマンドです。
このコマンドにより、10秒もかからずに約80MBの動画ファイルをダウンロードできました。
ちなみに、 youtube-dlの場合は次のコマンドを用いてダウンロードしています。
youtube-dl -f best https://www.youtube.com/watch?v=afrguHxe2zE
以上、yt-dlpの動作確認を説明しました。
追記 2022年4月8日
Python APIとしてyt-dlpを利用したい場合は、次の記事をご覧ください。